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多様性のある学びとは?「ふるさと創造学サミット」に行ってきました!

福島県双葉郡の「ふるさと創造学」は、双葉郡ならではの魅力的な学習をカタチにした『ローカルで多様な探究的学び』です。8町村の小・中・高校で、総合的な学習の時間の授業等で取り組んでいます。

そしてこの学びの成果を伝え合うために、年に一度各校が集まる大イベントが「ふるさと創造学サミット」。今年も会場の郡山のビッグパレットふくしまへ行ってきました!

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サミットでは、町村ごとにブースが分かれていて、それぞれで展示や発表、交流といった1回20分のセッションを何度か行います。ゾーンの広さや音響をお互い配慮すること以外の共通ルールはないので、何をどうやるかは各校の自由です。

私は第1回(2014年)のサミットに関わらせていただき、2年目から各校の先生方と一緒に、学校や地域の枠を超えたポスターセッションを設定。「交流」や「学び合い」に重点を置き、「学校(一校)ではできない体験」の場を目指しました。

とはいえ初めてポスターセッション形式で開催した2015年は、会場が予想より狭くて大混雑し正直カオスでした(汗)。でもそれから毎年、サミット実行委員の先生方を中心に試行錯誤が重ねられ、6回目ともなると発信と交流の場としてすっかり安定してきました。

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同時に、各校の探究的な学びも深まっているように思います。単に調べるだけでなく発信したり提案したり、調べ方も専門家にヒアリングしたり直接現地に調査しに行ったり、また、聞き手に関心を持ってもらうよう工夫を凝らした様々なスタイルのプレゼンや交流のアイデアなどなど。

「ふるさと創造学」の立ち上げに関わり、実践が始まってからもご指導くださった國學院大学の田村先生(元文部科学省・視学官)が、2年前のサミットで「学びの質が高まってきている」と褒めてくださいましたが、そこからさらに発展し、各町村・各校の個性もすっかりできてきたように感じました。

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SDGsやユニバーサルデザインなど、話題のトピックも取り入れています。

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サミットで感動するのは、継続して「ふるさと創造学」に取り組んでいる子どもたちに会うたび感じる成長と、彼らの中で学びがつながっていること。さらに卒業生がサミットに遊びにきて、後輩たちの頑張りを温かく見守りながら、自分の時はああだったこうだったと話す風景も6年目のサミットならではです。

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毎年サミットに来てくださる福島大学の坂本先生に、「こういうのって他にもあるんでしょうか」と聞いたところ、「あまり聞かないですね」とおっしゃった後、双葉郡の「ふるさと創造学」のすごいところを以下のように示してくださいました。

・地域など身近で現実の課題をテーマにした探究学習・PBL
・異年齢混合での学び
・学校種を超えた学びの共有
・町村を超えた地域交流
であること。しかもこれら全部をやっているのは、おそらく他にない。

クロージングセレモニーではふたば未来学園高校の1年生が、「昼食の中高交流で多様性やみんなの個性を感じた、各校のセッションを通しても双葉郡の各町村にも個性があると思った」と感想を述べていたのも印象的でした。

ふたば未来学園は双葉郡唯一の中高一貫校で、やはり高校生は頼もしく各町村の中学生たちのあこがれであると同時に、小中学生の取組や発言は高校生にも刺激となっています。また今年開校した中学校が初出場し、1年生がほぼ全員参加して他校の発表を真剣に聞いたり、積極的に質問したりしていました。

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各地で、STEAMやPBL、SDGsなど教科横断の課題解決型学習が話題になっていますが、双葉郡ではずいぶん前から取り組んできていたことを再確認した一日でした。

今回まったく運営のお手伝いをせず、各校のセッションをじっくり見させてもらったことで、あらためてこの取組のすばらしさ、双葉郡の子どもたちのすごさを感じ、黎明期から関わらせてもらった身としてもっと世の中に伝えなくては・・・と反省。

ちなみに以前、田村先生や坂本先生にご出演いただいた動画はこちら。「ふるさと創造学サミット」とは、が分かりやすく紹介されていますのでぜひご覧ください。


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