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生徒が挑戦できる学校。ゆるい朝活で留学報告会 【週刊新陽 #176】

新陽高校では、週1回程度『ゆるい朝活』という活動が行われています。

新陽のスローガン「本気で挑戦する人の母校」には、生徒が挑戦したい時に挑戦できる学校、そして挑戦したくなる機会を見つけられる学校、という意味が込められています。

その挑戦したい気持ちをちょっと後押しするような場があるといいよねと、今年6月『ゆるい朝活』を始めることにしました。

「火曜日の朝 8:00〜8:45、ミライエ(進路室)を開けます。何かしたい生徒集まれ〜」とゆるくアナウンスしたところ、数名の2・3年生が毎回来るようになりました。


留学報告会やりたいです

9月最初の週、『ゆるい朝活』の固定メンバーとなりつつある2年生の北川颯一朗さんが、「マレーシアの報告会やりたいです!」と職員室に言いにきました。

ゆるい朝活、いつもはなんとなく集まって、なんとなくそれぞれのやりたいことをしたり気になっていることを相談したりして過ごしています。時々、学校に来る外部の人や卒業生と交流する場にもなっています。

そんな中、生徒が「これをやりたい!」と具体的な企画を持ち込んできたのは初めて。「ぜひやってみよう」と二つ返事でOKすると、「いいんですか!?準備がんばります!」と、とても嬉しそうな表情を見せました。

そして朝活前日の9月9日(月)、全校生徒向けClassroomに本人が投稿したメッセージがこちら↓

皆さん、こんにちは。
イエローハウス2年次の北川颯一朗です。

僕は8月3日〜9月1日の1ヶ月の間、マレーシアのクアラルンプールに語学留学に行ってきました。現地の生活は日本とは全く異なっていて、沢山の経験や新たな価値観を感じて帰ってくることができました。その学びを皆さんにシェアしたいという思いから、マレーシア留学の報告会を行います!
留学に興味がある方や、外国に興味ある人は是非気軽にきてください。皆さんで楽しくお話ししましょう!

日時:9月10日(火) 8:00~8:45
場所:中央校舎 3階ミライエ

マレーシア留学報告プレゼン

迎えた当日、『ゆるい朝活』お馴染みの顔ぶれに加え、いつもは来ない北川さんの同級生や、新陽の探究コーディネーターをしてくださっている(株)すみかの月館さんたちも集まってくれていました。

8時過ぎ、「マレーシア語学留学」というタイトルのプレゼンがスタート!

***

<留学先の紹介>
マレーシアの首都、クアラルンプール。
人口180万人。
公用語はマレー語、共通言語は英語。
国教はイスラム教。
実はマレーシアは近年、日本人が住みたい国No.1

<留学の目的>
・英語力を向上させたかった
・自分の価値観や視野を広げたかった
・色々な人とコミュニケーションをとって海外の友達を作りたかった

<マレーシアでの過ごし方>
平日は語学学校へ。9時から16時まで、1コマ110分を3クラス。15名のクラスメイトは多国籍で多世代(12〜35歳)。放課後や土日は、友達と遊んだり観光をしたりして過ごした。

<留学中の失敗談>
ムスリムの友達に日本食を食べさせてあげたくて連れて行った店が、実はハラルに対応していなかったこと。自分が当たり前に食べているものが、他の国・宗教の人には当たり前ではないと実感した。

<生活していて一番大変だったこと>
トイレが汚くて、床が水浸しだったこと。日本のトイレにある機能がないし、トイレットペーパーがないところも多かった。日本のトイレ最強!と思った。

<昨年のシドニー留学の反省点を活かして意識したこと>
・授業の席は外国人のクラスメイトの隣に座るなど、英語を話す環境を強制的に作る。
・とにかく外に出てマレーシアを味わう。
・毎日、何をしてどう感じたか、リフレクションして書き残す。
・分からないことがあったら人に聞く(ネットの情報は正しくないことがある)。

<マレーシアで感じたこと>
①人の豊かさ
マレーシアに住んでいる人は自由でストレスがないように感じた。怒っている人を留学中一度も見なかった。一方、日本はみんな早歩き。地下鉄に乗っている人もピリピリしてるように感じる。
②国民の愛国心の高さ
街がマレーシアの国旗で埋め尽くされている。8月31日の独立記念日にイベントに参加した時、国民の「心から独立祈念を祝う気持ち」がその場にいるだけで伝わってきた。
③国の多様さ
多民族国家。人、食べ物、建物、すべてが多様で面白かった。また、一人一人の個性が強く、自分の意思がはっきりしている。
その分、他人に興味がないというか、妬みや、他の人の失敗を気にしすぎることがなさそうに感じた。
④日本の良さ
マレーシアで生活して、日本の良さをあらためて感じた。トイレや食事の清潔さ、時間に厳しく計画通りに進むところ、サービスの丁寧さ など。また、海外での日本人気はすごい。特にアニメは本当によく知られている。

<留学で得たもの>
・とりあえず英語で会話する力。
・良い意味で図太くなった。あまり周りにとらわれなくなった。
・日本とあまりに違う価値観を知った。
・行動力。自分から調べる、自分から飛び込んでみる、出歩く、など。
・ネットだけでは決して分からない空気感。(ネットで知った気になっても、実はぜんぜん分かってない。ネットに載っていないことや行ってみないと感じられないことがたくさんあると実感した。)
・なにより・・・たくさんの「出会い」!

<留学に一歩踏み出せない人へ>
迷うくらいなら「絶対に行ったほうがいい!」。行かないと分からない空気感や価値観がある。友達はできるので心配しないで大丈夫。最後は気合いでなんとかなる!

質問コーナー

プレゼンの後、聞いていた生徒や先生から様々な質問が出ました。一部を紹介します。

Q.日本人が住みたい国No.1の理由は、どこにあると思いましたか?
A. 物価の安さもありますが、人のフレンドリーさが一番なのではないかと思います。日本で息苦しさを感じている人には特に魅力なのかも?

Q. 前回の留学先であるシドニーと比べて、違いは?
A. シドニーは、学校にも街にも日本人が多く、自分は海外を体験しきれませんでした。街が発展していて、清潔さはシドニーのほうが進んでいると思います。マレーシアはこれから発展しそうな感じです。

Q.新陽のビジョン「人物多様性」という言葉を、マレーシアの体験を経た今、どう考えますか?
A. マレーシアの人たちは多様ですが、多様性を意識しているようには感じませんでした。多様性、という言葉を使う必要がないんだと思います。多様性は、日本のための言葉なのかもしれません。

Q.マレーシアの人は、他人に興味がないということでしたが、それなのに他人に寛容なのはなぜだと思いますか?
A. イスラム教の影響は大きいと思います。他人に尽くすのがイスラム教だと教えてもらいました。

Q. この留学経験をふまえ、今後どうしていきたいですか?
A. 今日のように自分の体験を伝え、広めたいです。聞いてくれた人には、他の国のことや違う価値観として離れて見るのではなく、自分事として感じてもらえたら嬉しいです。そのためにも、もっといいプレゼンができるように練習して、また挑戦したいです!

【編集後記】
結局、20分近いプレゼンと途切れない質疑応答、そしてプレゼンの感想を伝え合うなどして、今回の朝活が終了したのは9時から始まる1校時目直前。ぜんぜん"ゆるくない"熱くて濃い朝活でした(笑)。
急いで授業に向かった北川くんから、後で「朝活の時間使わせていただきありがとうございました!準備段階から今日まですごく良い経験になりました!」とチャットが来ました。今回のプレゼンのように、「いつか大きな挑戦をしてみたい」と思う生徒に練習場所のように使ってもらうこともできるんだな、と『ゆるい朝活』の可能性を感じています。

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