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階段の途中

階段の上でもなく下でもない
そこに自分の居場所がある

そんな詩があったかもしれない

家出から帰ってきた女の子と
階段に座って よく話した
話したんじゃなくて 聞いただけかもしれないが

思ってもいないことを言えない自分である自覚だけはあった私。
自分の理解を超える行動をした彼女に
響く言葉を持っていない
それだけは知っていた。


薄くしたカバンで窓ガラスを次々と割っていくなんて
そんな男の子がいたなんて
ドラマのような現実もなかったかのように

その階段のあった校舎は
何十年も前に建て直され
大きな桜や銀杏の木も 今はもうないのだった



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