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「文春WOMAN」に連載されていた作品だそうだ。
エッセイと、インタビューと対談がまとめてある。

そして亡くなった樹木希林という母親の事を繰り返し思い起こしている。
目次の顔ぶれも興味深い。


樹木希林さんは、夕日が見えると必ず「見なさい」と声をかける人だったそうだ。娘には外国語を習得させたが自分は日本語で通したそうだ。
面白い大人がいると、仕事の場に也哉子さんを連れて行ったそうだ。
ハワイに行くとまずパールハーバーで祈ったそうだ。


インタビューした人たちそれぞれの母親像も興味深かった。
ヤマザキマリさんの、中学生を一人でルーブルに行かせた母親もすごいが写真家の石内都さんの母親は、群馬県で二番目に女性で運転免許を取った人だそうだ。一番目の人は取ったけれども運転を仕事にしたりしない人。
マツコさんの母への思いもなんとも切ない。

少し前に「しじま」という言葉を使う人だと書いた。
彼女の文章は静謐で美しい。
私の使用語彙にはない語彙が多くて、自分が日本語を
大切に扱っていなかったかもしれないとも感じられてしまう。

ヤマザキマリと「虚無感」を感じるかという話をしていたのだが
「虚無」という言葉と自分自身を結び付けて考えたことが無かったことに気づいてしまった。
ときどき、失望と絶望の中間位の「うつ病の種」みたいな感覚を持つことがあるのだが、あれは虚無感だったのかどうか自分にもわからない。
「意味」って自分に寄せながら獲得していくものなのかもしれない。




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