見出し画像

スカーレットとブラウン

大災害が続いて、ロンドンは沈み、小さな島だらけになってしまった世界。核戦争後、みたいな言われ方はされていなかったと思う。

けれどわけのわからない巨大化した猛獣がいたり
鋭い歯をもった巨大な鳥がいたり
〈堕種〉と呼ばれる異形の者たちが住む荒野がある世界だ。

そんな世界だが、防護壁で覆われた町がいくつもある。
その中で昔ながらの暮らしをしている人たちもいる。
町に住んで、普通に働いて暮らす人たち。
その町の中でも、うっかりさらわれたら奴隷や何かに売られるし
金品を取られる人もいる。

スカーレットは、荒野で一匹オオカミとして暮らしている。
銀行強盗をすることもあるし、敵対してきた者は殺すし
凶暴なクマなどにも負けないのである。

そんなスカーレットが、不思議な少年アルバートを拾う。


作者のジョナサンストラウドは「バーティミアス」三部作の作者だ。
妖霊であるバーティミアスを召喚してしまったへっぽこ魔法使いと
冒険する話だ。

金原瑞人さんが翻訳した本は大概面白い。
最近彼の名前で図書館の本を検索したら読んでいない本がかなりあって。
「バーティミアス」も面白かったし、と借りてみた。

SF的な要素が強い作品だった。

アルバートはストーンムアという実験施設から逃げてきた。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのアライグマみたいに
支配されながら実験されていた。


アルバートをずっと追いかけていたキャロウェイ博士。
彼女のイメージはターミネーターである。

十代の女の子なのだけれどとてもタフで強い。
とりあえずの解決という感じなのだが
続編はなさそうだ。


書きながら、いろいろな映像作品のイメージに助けられながら
読んでいたことがよく分かった。
そういう視点を持ってしまうと
ミラジョボに勝てるかどうかはわからない。
ラグーンになってしまったロンドンの映像が見たい。
CGでしか表せないのだろうけれど。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?