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心に穴が開かなかったかもしれない

父が亡くなって
やらなければならないことリストがずいぶん空いた

やりたいことではなかったかもしれないことが
ちょっとだけ申し訳ない

顔を見たい  ではなく
顔を見せてあげなくては と思っていた

マスクをした私の顔を見て
少し不思議そうな顔をして
ヘルパーさんの「娘さん来てくれたね」
の言葉に納得する

その繰り返しだったが

父をちょっとだけ見舞って
それから一人でお茶しながら読書する

それはそれで良い習慣だったのかもしれない
と、今は思う

心にぽっかり穴が開く 
というほどではない微妙な距離の父と娘であった
薄情な事である



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