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遠慮がちな冷蔵庫

二代前の冷蔵庫は、勝手に閉まるタイプだった。
締め忘れがほとんどなかったのはそのせいである。
ほんのわずかな圧で閉まった。

今の冷蔵庫を買うとき、「勝手に閉まる」を考慮しなかった。
ちょっと後悔している。

ちょっとの圧ではまずダメで
ピーピー鳴る。
それが大変な小声なのである。
お前もこちら側なのか とため息つきながら
「確実に」閉めないといけないのだった。
「勝手に閉まる」を10年くらい使っていて
次の冷蔵庫は二年足らずで子どもたちの家に行ったので
まだ、私の中では
少しの圧でも閉まるのではないかという甘えがあるのだろう。

「閉めたはず」から30分は経ったのではないかと思う頃に
鳴いているのに気づくこともある。
もっと存在主張しろよ とため息をつきながら
小声の冷蔵庫に気を使っていくのである。


ふと、いっこく堂の、「遠慮がちなカーナビ」を思い出した。





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