どうせ暇だし
図書館の前まで来て
返すべき本を忘れてきたことに気づいた
返さなくては借りられない(期限が一日過ぎていたので)
この普通のルールが
とてつもなく理不尽に感じられる
蒸し暑い午後
五分といなかった駐車場は値上げ
せめて、と公園に行けば
カメラのバッテリーは切れそうな点滅
日傘も帽子も手元にないのに日は差し
どこでひねったか足首
どこに置いたあの詩集
どこに持っていけばよいのかこの
しようもない苛立ちと痛み
昇華なんてされることもなく
小さなしみになって体のどこかに残る
気持ちを切り替えてもう一度
詩集を返し童話を借りて
フルーツ牛乳を買って帰る
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