BMWが描く未来の製造業 - Figureのヒューマノイドロボットをどう活用するのか
自動車製造業界のリーダーとして知られる独BMWは、単なる製品製造にとどまらず、未来のイノベーションを積極的に追求することで有名だ。その一環として注目を集めているのが、スタートアップとの連携である。特に最近では、ヒューマノイド・ロボットを開発する創業2年のスタートアップFigureとのコラボレーションが話題だ。
BMWは、「従来の機械では対応できない課題に、柔軟でクリエイティブな解決策を提供するスタートアップを活用する」という明確な戦略の下、創業2年に満たないFigureと提携し、彼らの最新のヒューマノイド・ロボット「Figure 02」を生産ラインに導入。複数のテストを実施し、人とロボットが協力し合う新しい製造モデルの可能性を探っている。
Figureのヒューマノイド・ロボットがもたらす革新
これらのヒューマノイド・ロボットは、人間のような動きを再現することで、従来の産業ロボットでは難しかった柔軟性や対応力をもたらすことを目的としている。
Figureのロボットは、BMWのスパータンバーグ工場(米サウスカロライナ州)での実証実験により、1日最大1000回の部品配置をした際に作業速度が400%向上し、成功率が7倍改善したと報告されており、物流作業や組み立てラインでのタスクを大幅に最適化しつつ、労働者の負担を軽減する可能性が示されている。
BMWはFigureを、単なる最新の技術を提供するスタートアップとしてだけでなく、BMWのビジョンを共に実現するパートナーとして考え、コラボレーションしているわけだ。
大企業とスタートアップの連携がもたらす未来
BMWとFigureの取り組みは、重厚長大産業である自動車業界が、柔軟で俊敏なスタートアップを取り入れることで、新しい価値を生み出せることを証明しつつある。
この事例は、他の大企業がどのようにスタートアップとコラボレーションし、内部からイノベーションを推進するかを示す貴重な事例となるだろう。
一方で、多くの大企業の新規事業開発の現場からは「どうやって経営陣を味方につければよいですか?」という悲痛な叫びが後を絶たない。「事業部門にスタートアップを取り合ってもらえない」「経営陣がスタートアップに否定的」― オープンイノベーション活用が叫ばれる中、スタートアップとの間に立つ担当者の方々の切実な嘆きは尽きない。
ただ多くの先進事例は、やりたいことがハッキリしている企業が、多少のリスクを負っても、将来にわたって望んでいることを実現できるチームを持つスタートアップを選んでいる。
朝活ウェビナー詳細情報
BMWがFigureをはじめとしたスタートアップをどう活用しているのか、どんな狙いで協業しているのか、さらにはこの取り組みが企業イノベーションに与えるインパクトについて、詳細を日本時間12月18日の「朝活ウェビナー」でお話します。大企業がスタートアップをどう活用すればよいのか、実践的なヒントをお届けします。
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