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あなたのスタートアップ物語は、ここから始まる - IVS NEXT CITY

総括

こんばんは。IVS NEXT CITY企画責任者を務めておりました前川です。

初日朝に急遽現地調達した浴衣を来ていたやつです
(見つけてくれて話しかけてくださった皆さま、ありがとうございました)

金曜日で会が終了し、毎回恒例の過酷な打ち上げを複数乗り越え、やっとPCに向かえる状態になりましたので、noteを書き起こしてみます。

2023年6月28日~30日の3日間にて、IVS2023 in KYOTOが開催されました。まずはじめに、今回のIVSに携わっていただいた全てのパートナー、そしてご参加頂いた皆さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

今回は過去最大規模、最高峰のIVSとして各種メディアにも取り上げていただきましたが、最終的なトラックレコードは以下の通りとなりました。

・参加登録者数1万人以上
・コミュニティーパートナー150団体以上
・連携VC130社以上
・サイドイベント100開催以上
・スポンサー70社以上

*2023年6月末時点集計

今回のヤバさを端的に伝えた投稿をしてみました。前回のIVS2022 NAHAと比較すれば、参加登録者は約5倍の規模となり、海外からのゲストは20倍に迫る規模まで成長する結果となりました。

今回のIVSは同年2月末頃からチケット販売を開始しました。最初の1,000人を超えるまでは、1.5ヶ月かかりましたが、5月末頃からは毎週1,000人ずつ増えるペースで急増し、大台の10,000人突破にあたっては僅か1日で1,000人が増えるような勢いに達しました。

また今回はみやこめっせ会場のB1F "IVS PRO BASE"という、従来のIVSとして招待制で密にネットワーキングができる企画と、これからスタートアップに関わりたい人たちに向けた"IVS NEXT CITY"に大別され、それぞれの参加権利が生まれました。結果的には登壇者や関係者を除き、約6割がNEXT CITYの参加登録者となりました。

IVSとして初の試みであるNEXT CITY。当初は全てが空想、妄想の域にあるもので、何一つとして確証がなかった当時から、最終的にこれだけ多くの方にご参加いただけたこと、非常に感無量です。重ね重ねありがとうございます。

せっかくなので、今回新たな挑戦であり未だかつてない熱狂と創造を産んだ "NEXT CITY" について、お話させていただければと思います。

再定義したIVSのMVV

IVSはこれまで年2回ペースの開催を行っておりましたが、刻一刻と変わりゆくスタートアップ情勢において、IVSなりの解を構築するため、前回から約1年間、時をあけて自分たちの存在意義の再定義から始まりました。

時計の針を戻せば、昨年の8月頃。 根幹メンバーでIVS京都合宿を開催し、自分たちが置かれている現状、環境変化、思想を1つ1つ整理し、次なるIVSがどう在るべきかを長時間議論しました。

その中で肝となった論点がこのあたりだったと記憶しています。
・ IVSはスタートアップにとってどんな価値であるべきなのか?
・ これからも招待制というインナーサークルを続けるべきなのか?
・ 日本に限った機会で良いのか?

議論過程を書き出すと大変長くなるので割愛しますが、結果的に自分たちはカンファレンスを作りたいのではなく、スタートアップが持続的に生まれ、飛躍的に成長していくために必要な全てを提供できる場でありたい。そして日本発を世界へ送り出し、また世界と日本を繋ぐ場所でありたい。つまりグローバルTOPのスタートアッププラットフォームを目指すのだと決意しました。

そのためのベンチマークとして「ASIA'S No.1 STARTUP PLATFORM」を直近のVisionに据え、具体的検討を開始しました。

https://www.ivs.events/ja

NEXT CITYの起源

2022年、スタートアップ創出元年と位置付けられ、スタートアップ育成5カ年計画を代表とする数々の政策が進行し、日本におけるスタートアップの気運が増々高まるところです。

これまで15年の歴史の中で、スタートアップエコシステムの繁栄に貢献してきたIVSにおいても、この気運をよりレバレッジして高めていけるような機会を、IVSなりのやり方で実現していこうと考えてきました。

その結果、IVSの重要な価値である、クオリティの質が満たされた上での密なネットワーキングを損なうことなく、スタートアップ全体をスコープとした非招待制の企画をやろうと繋がります。

今回の会場は京都みやこめっせ。必然的に要求される開催規模は数千人~1万人規模となり、日本全国のスタートアップ関係者を一同に会するような企画、言い換えればスタートアップに興味のある人であれば、誰しもが思わず行きたくなる場を創ることを念頭に具体的な企画はスタートしました。

そして遂に開催3ヶ月前に実施を決意し、ここからHEAD of NEXT CITYとして活動することになります。

(規模に対して残り時間の短さに恐怖を通り越して、狂気を感じ始めたのがこの頃からです。笑)

そして様々なアドバイザー、スタートアップ関係者と議論を重ね、NEXT CITYとしてのコンセプトを構築しました。

"スタートアップの関係人口を増やす"
をミッションに据え、様々なプレイヤーを招聘し、それらが重なり合うカオスな空間を生み出すことで、未だかつてない熱狂と創造を生み出し、次世代の起爆剤となることを我々の存在意義と定義しました。

※内部資料なのでアンオフィシャルです

そしてみるみるうちに言語化は進み、最終的なNEXT CITYの定義は以下の通りとなりました。

これからスタートアップを始める人が、
挑戦したい社会課題と、野心的な同士に出会える
スタートアップはじまりの街

NEXT CITY - IVS2023 KYOTO | Japan's largest startup conference

NEXT CITY 組織の9割が20代に

個人的にジェンダーやジェネレーション等、グルーピングして物事を定義、評価することがあまり好きではないのですが、NEXT CITYを自らが最も体現する組織であるべきと腹を括り、自己開示も含めてこれまでIVSを担ってきたグループとは全く異なるチームアップを開始しました。

最終的に約30名の組織規模となりました。そしてこの約9割が、自らの強い意志を持ち、社会に訴えかけたい想いを持った最高の10・20代のメンバーです。

起業家、VC、スタートアップ、行政・自治体、大企業新規事業担当、ドクター出身者、学生等、ありとあらゆるバックグラウンドを持った多様なメンバーの叡智と情熱を結集し、カオスな掛け算によってNEXT CITYという熱狂が生まれたのだと振り返って感じています。

※不要な情報も色々入っていますが、そのあたりはご放念ください。
最高のメンバーを是非多くの方に知ってほしく開示しています
NEXT CITYのなかまたち(もりや氏、矢藤さん、しーたさん失踪ver.)

平均参加率100%over 熱狂的空間が爆誕

蓋を開けてみれば、最高峰の熱狂がその場には生まれました。NEXT CITYで手掛けた約50個のセッションはその大多数で平均参加率(参加数/座席キャパ)が100%を超えており、特に人気なセッションでは500~600%程度と予測される参加率となりました。

また、体感的ではありますがジェネレーション、ジェンダーともに多様化が進み、村文化から大きく変わった開放的な空間になったのではないかと感じています。

Session & Overall

NEXT CITYフロア全体図
Day3 経営塾 サイバーエージェント藤田さんvsメガベンチャー企画の風景
Day2 IVS for Engineer 企画
「エンジニア投資家がアドバイス!スタートアップCTO、テックリードに求められるもの」
のセッションの様子

またセッション以外にも、NEXT CITYらしい特設企画においても大変な賑わいを見せました。一部の紹介となりますがレポートします。

SOCIAL INNOVATION AREA

社会課題や近未来技術と触れ合うことができ、社会課題解決を加速させるコンテンツを集めたSOCIAL INNOVATION AREAも大人気を博し、これまでスポットライトが当てられにくかったソーシャル領域も大多数の方に知っていただけた機会となりました。

特に登壇者の方々から寄せられた声は、あまりに企画冥利に尽き、本当にこの場を作ってよかったと個人的に胸熱だったので少しシェアします。

「これまで研究領域から産業界に歩みよる企画は試してみたが、中々上手く行かなかった。今回IVSがこの領域に架け橋をかけてくれたことを本当に感謝している」
「自分たちの信じる分野、社会課題にスポットライトを当ててくれてありがとう」

登壇者からいただいた声の一部抜粋


INCUBATION AREA

また北は北海道、南は沖縄まで全国の著名インキュベーターとVCが集い、これから起業を考える方が多角的に起業相談できるエリア、INCUBATION AREAは特に熱狂的な場所となり、終始圧倒的熱量を持つ参加者が起業相談を行う場所となりました。

個人的に印象に残っているのが、地方起業を語るセッションで、登壇者が「どれくらいの人が地方起業考えていますか?」といった質問を投げかけたとき、その場にいた100人弱の参加者のうち9割が手を挙げたことです。日本全国から起業を目指す方が来てくれたんだと感銘を受けたシーンもありました。


IVS for Engineer

Day2には、エンジニア特化企画としてIVS for Engineerを開催しました。当日1セッション会場は終日エンジニア向け企画に統一。加えてAWS様と共催し、現役CTOやTech expertに技術、キャリア相談ができるTech barを開催しました。

各セッションは立ち見が常に現れる程にエンジニアや関係者が集いました。またTech barでも高度な技術相談や、本気のキャリア相談等も次々に行われる熱量の溢れる場となりました。


IVS Sandbox & Boost Program

セッションの話を聞くだけでなく、連携している130社を超えるVCやインキュベーターの方とともに特に起業意向のある方たちに向けた参加型企画を開催しました。

IVS Sandboxは通称裏IVSとして、別会場で3日間に渡り真剣に事業作りに取り組むプログラムとして、定員を大きく上回る応募となりました。当日実際に足を運んでみましたが、3日間の疲れを全く感じないほど真剣かつ熱量込めて壁打ち、相談している様子が垣間見えました。最終日にはSandbox Demodayとして、NEXT CITYでSandboxで取り組んだアイディアのピッチが行われました。

Boost Programは総勢15社・15人を超えるVCのキャピタリストと集中的に資金調達、事業の壁打ちができる企画として、一部飛び入り参加ができる企画でした。当日は司会者が閉会と制しても会話が終わらないほどに、目まぐるしい熱量と真剣度がとても印象的でした。

最後に:NEXT CITY に躍動した皆さまへ

本当はもっと伝えたいNEXT CITYでの感動があるのですが、書き出すと止まらないのでこの辺りで締めにかかりたいと思います。笑

全ての機会を通じて、NEXT CITYが生み出した最も価値ある効果は "スタートアップの発生源が具現化した" ことだったのではないかと振り返ります。

起業が選択肢になるきっかけとして「身近に起業家がいたから」という理由が多いと言われています。これは起業に限らず、意思決定の多くは当人が身をおいている環境に多分に影響を受けることが背景です。

NEXT CITYに来ていただいた方であれば伝わったと信じておりますが、登壇者、参加者ともに圧倒的な熱量がそこにあり、その熱量がマジョリティである空間。思わず隣の人に話しかけたり、思わず自らのアイディアや信念を証明したいと思ってしまう、そんな空気がそこにはあったのではないかと感じています。

これは完全なる私の私見ですが、スタートアップとは解決したい課題や証明したい価値に対し、最もピュアに向き合える生態系であると考えています。

あらゆる制約は備えていないからこそ奇想天外で破壊的イノベーションが自然発生できる。そして、その課題解決に特化した意思決定、リソースの調達と投資ができ、その価値観に共感した人達が集う生態系。それがスタートアップの真価であると信じています。

NEXT CITYはスタートアップの起源たる、挑戦したい社会課題が様々なセッションや企画から知り、体験できる場所があり、そこに同じ熱量で取り組みたいと考える同志が集うコミュニティとなりました。まさにスタートアップが生まれる起源がそこに集ったのだと。

そしてそれはこれからスタートアップを挑戦したい人たちにとって、自らの価値観が承認され、同じ熱量で志を共有できる出会いとなり、自分の抑えきれない熱量を全力でぶつけることが肯定される体験になったのではないかと考えています。

この3日間で得られたあらゆる刺激や体験を昇華させるのは、紛れもなくあなた自身です。そして、あなたと共に歩む人達はここにいます。

さあ、あなたのスタートアップ物語は、ここからはじまる。


Fin.

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