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コロナ禍の今見る感染症パニック映画『アウトブレイク』”Outbreak”(95年)にハラハラドキドキ

四半世紀前の1995年 ウォルフガング・ペーターゼン監督の映画『アウトブレイク』が公開中にザイール(現コンゴ共和国)でエボラ出血熱が流行し、そのリアルなタイミングに驚いた記憶がある。
新型コロナ肺炎パンデミックの今再見してみたら、ウィルスの変異や感染の仕方がリアルに感じられた。

元々はリチャード・プレストンのエボラ出血熱感染危機ノンフィクション『ホット・ゾーン』の映画化を目指していたが頓挫し、オリジナル脚本(ローレンス・ドゥウォレット、ロバート・ロイ・プール)となったため、感染に関するリアルな描写が残ったのだろう。

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1967年、ザイールのモターバ川流域でアメリカの傭兵部隊が次々と原因不明の出血熱となり多数が死亡した。軍は患者の採血を行った後、キャンプ全体に爆弾投下しその事実を隠蔽する。

時は流れ、現代(1995年頃)モターバ川流域の村で原因不明の出血熱が発生する。
アメリカ陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)の最高警戒度 LEVEL 4 研究チームのサム(ダスティン・ホフマン←氏のキャリア上最もカッコいい役どころ・笑)は、上司のビリー(名優モーガン・フリーマン)から現地調査の命令を受け、信頼をおく部下ケイシー(ケヴィン・スペイシー←当時は人気がうなぎ登りだったな)と新人ソルト(キューバ・グッデング・JR←翌年『ザ・エージェント』でアカデミー賞助演男優賞受賞)と共に現地に飛ぶ。
感染者は2〜3日で死亡するというスピードの早い恐ろしい病気。その惨状を見て驚いたサムは、すぐに軍上層部と元妻ロビー(レネ・ルッソ ←後の”マイティ・ソー“のお母さん役)の働くアメリカ疾病予防管理センター(CDC)に警戒通達の発令を要請するが、却下される。

同じ頃ザイールで捕獲された一匹のサルが、韓国人船員の乗る貨物船でアメリカに運ばれる。小遣い稼ぎをしようとする若者ジンボ(パトリック・デンプシー←後に『グレイズ・アナトミー』で優秀な医者役になる)は、医学研究用のサルをカリフォルニア州のペットショップに売りつけようとするが断られる。困ったジンボはサルを森で逃がし、自分はシアトルに帰るが、サルに水をかけられ感染してしまっていた。ペットショップの主人もサルに腕をひっかけられたため感染してしまう。病院の技師が不注意から感染した血を浴びてしまい、そのまま恋人と町の映画館で咳をして、飛翔感染が広がり「アウトブレイク(爆発的な感染)」が始まってしまうのだった。

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映画はその後、1967年の「モターバ・ウィルス」と現在のものが同一とわかり、軍が細菌兵器として密かに製造していたことを隠すためサムを解任するのだが、正義感の強さからサムは命令に従わずチームでこのウィルスの治療法と感染ルートの特定を急ぐ。

モターバ・ウィルス架空のウィルス)は、空気感染はしなかったが、変異し空気感染もするようになる。密かに作られていた血清 N-1101も効果なし。感染源(英語で Host という)を見つけ出し新たな血清を作らない限り人類を救える方法はない。

追いかける軍、逃げるサムたち。ヘリコプターによるチェイスは迫力満点。時間がないというサスペンスも相まりハラハラドキドキの展開は今見ても古びていない。映画としてのテンポもよく、娯楽映画としてもすこぶる楽しめる。

コンテイジョン』(11年)もそうだが、アメリカの娯楽作品は感染の経路を上手に見せてくれる。とてもウカツなことで感染が拡がってしまう。つまりヒューマン・エラーなんである。感染拡大させないためには人の移動と接触を避ける事が一番なんだと改めて思った。緊急事態宣言を出してさえ、いまだにノンキな日本という国を心配している。

てなことで。

Image Credit

Motaba Virus
https://juleecwk0409.files.wordpress.com/2009/05/motaba.jpg



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