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【今日のポイント】

オープンイノベーションや知財戦略、無形資産などのキーワードを目にする機会も増えて来ましたが、まだまだ自社は特許などには縁が無いとお考えの企業も多いのではないでしょうか。

最近は、特許庁のコンテンツも出願動向などに加えてビジネス視点からのコンテンツをマンガなども使って提供していますので、一度ご覧になってみることをお勧めする次第です。

1.特許庁の出願技術動向調査

 4月のお話になりますが、特許庁(https://www.jpo.go.jp/index.htmlから、令和5年度の出願技術動向調査の概要が公表されました。

(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同様。)

URLはこちら 
『特許出願技術動向調査』(特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html )

『意匠・商標出願動向調査』 (特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/isyou_syouhyou-houkoku.html )

意匠・商標については、各国の出願動向のマクロ調査ですが、特許については、分野別の調査も行っています。

令和5年度の特許出願技術動向調査では、以下の5つの技術について調査が行われており、要約版を上記のサイトからダウンロードすることもできます。

『(一般)パッシブZEH・ZEB
(機械)ドローン
(化学)全固体電池
(電気・電子)ヘルスケアインフォマティクス
(分野横断)量子計算機関連技術』

出典>特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html

上記の技術分野のサマリーは以下のURLにも掲載されていますが、
各技術分野の要約版には、出願関連情報に加えて、市場環境や各国政府の政策動向、研究開発動向なども掲載されおり、技術を中心にその技術が関連する業界の動向を把握することにも役立つものとなっています。

まずは、以下のパンフレットと、
令和5年度の全テーマの概要をご覧になると、この調査の目的や調査方法などの概要や、利用方法がわかりやすいかと思います。

出願動向調査パンフレット』(特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/document/isyou_syouhyou-houkoku/pamphlet.pdf )

『令和5年度分野別特許出願技術動向調査を取りまとめました(全5テーマの概要をご覧いただけます)』(特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/2023theme.html )

ちなみに、令和6年度は以下のテーマについて調査する予定とのことです(メタバースなども取り上げられている所が、現代の風潮を表していると感じます)

『(一般)ペロブスカイト太陽電池関連技術
(一般)偏光板関連技術
(機械)可燃性冷媒を用いたシステム(漏洩対策、圧縮機の制御等)
(化学)mRNA医薬
(電気・電子)メタバース時代に向けた音声・音楽処理』

出典>特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html


 これらの他にも、社会的関心が高い技術分野について簡易に調査したニーズ即応型技術動向調査、最近のキーワードの一つであるグリーン・トランスフォーメーション(GX)に関する技術の調査機械学習(AI)の特許調査への利用に関する検証調査など、いろいろな調査が年度別に掲載されており、

日本をはじめとする各国で注目されている技術分野の移り変わりも窺えるので、
「自社では特許出願は行わないよ」という方も、一度は覗いてみることをお勧めする次第です。


OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像


2.特許庁のスタートアップ関連の事例などのコンテンツ

特許庁は、特許など知的財産権の出願だけでなく、その後の活用に関するコンテンツの配信や企業支援も進めています。

特にスタートアップ支援には力を入れており、

以下のオープンイノベーションのサイトには、事業会社(大手企業)とスタートアップや大学が協業していく際にお互いに必要とするマナー(作法)の取得や相互理解を支援するガイドブック事業提携時のフェーズ別のモデル契約書なども掲載しています。

『オープンイノベーションポータルサイト』(特許庁 https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html )

更に、伴走型も含めて、スタートアップを個別にあるいはコミュニティで支援するための制度についても以下のサイトを立ち上げています。

『IPAS(知財アクセラレーションプログラム)運営の手引き』(特許庁 https://ipbase.go.jp/learn/content/specialist-guidance/01.php )


ar130405によるPixabay


3.自社にないが必要な技術(知的資産)を持つ企業を探す

特許庁のサイトには、この他、知的財産戦略を進めている国内外の先進的ベンチャー、オープンイノベーションに知的財産を活用するベストプラクティス集などの事例集ガイドブックも以下のサイトに掲載されていますので、自社の事業分野や取引先の業界における知財戦略の先行事例を探すことも可能かと思います。

『知的財産権活用事例』(特許庁 https://www.jpo.go.jp/support/example/index.html

『役に立つコンテンツ』(特許庁のスタートアップ向け知財コミュニティポータルサイト IP BASE(https://ipbase.go.jp/)内のコンテンツ一覧 https://ipbase.go.jp/learn/content/ )


今回取り上げてきた特許庁のコンテンツは、ただ読んでみても業界の技術動向などを俯瞰することができて面白いのですが、

自社の強みと思っている技術やブランドを、実際にはどのように活用すれば良いのかというヒントや、
自社の既存の事業における環境変化への対応や、新規事業立ち上げ時に、
自社にない技術、商流や取引先などの経営資産をどのように調達できるかを考える際にも、その技術などの調達先となり得る企業を探すという面でも参考になると思います。

また、最近は動画やマンガなども使ってわかり易く、親しみやすいコンテンツ作りも工夫しているので、

「特許や商標は自社には関係ないよ」という方も、まずはドローンやAIのようにどの業界にも関係する技術分野や、大手企業との事業提携などの分野のコンテンツから、特許庁のコンテンツをご覧になってみることをお勧めする次第です。

200 DegreesによるPixabay

【今日のまとめ】

・特許庁では、特許や商標の出願動向調査を年度ごとに公表しており、出願動向だけでなく、その技術が関連する業界の市場動向なども含めて全体を俯瞰するために役立つものになっている
・また、知財戦略を活用しているベンチャーなどの事例や、オープンイノベーションを円滑に進めるためのガイドブック、モデル契約書なども掲載しているので、自社の事業改革や新規事業立ち上げに必要な技術やパートナーを探すヒントも得られる
・最近は動画やマンガも使ってわかりやすさと親しみやすさに努めているので、「特許庁とは縁が無い」と思われている方も一度サイトを覗いてみることをお勧めする次第です。

最後までお読み頂き、有難うございます(*^^*)!
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