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他社の動向把握は、公開情報でどこまで可能か?

【今日のポイント】

競合他社の情報は顧客情報と同じく誰でも知りたいもの。でも違法行為はコンプライアンスの面でも、レピュテーションリスクの回避の面でも避けるべきですね。

AIやネットの利用が広がり、技術も進歩するので公開情報により把握できる企業動向は、自社・他社を問わず広がっていくため、この分野にもアンテナを張っておくことが重要と考える次第です。

1.Amazonの他社情報収集活動

今年の4月にウォール・ストリート・ジャーナル(https://jp.wsj.com/が、Amazonのバイヤーを装った競合他社の情報収集活動について報じたことは、ご存知の方も多いかと思います。

それが違法性のあるようなものかどうかは、私にはなかなか判断がつきませんが、取引情報、特に相対でのそれは、秘密情報として取り扱うことも多いため、同社の活動を聞いて、自社の情報は大丈夫かと懸念を抱いた企業もあるのではないかと想像するとともに、
同様の情報収集活動は他社でも行われている可能性はあるとも感じた次第です。

2.公開情報の利用技術の進展

上記のような、違法性の疑いを招くような活動とは別に、公開情報を収集して、他社の動向を探ることは、広く行われているとともに、
SNSの口コミ情報のAIによる分析や、特許情報をIPランドスケープを用いて分析するなど、
最近のネット上の情報の増大と、AIによる検索技術や分析技術の進展によって、公開情報で把握できる他社動向の範囲は今後も広がっていくことは確実かと思います。

そして、違法行為に頼らない、競合や顧客の情報収集と分析の方が、今後は優勢となっていくものと予想する次第です(もちろん、人脈などのネットワークが貴重な情報源であることは今後も変わらないとは思います)。

なお、上記のIPランドスケープなどの知的財産分野の情報の活用については、以下のガイドブックやマニュアルも参考になるかと思います(これも公開情報ですね)。

『知財経営の実践に向けたコミュニケーションガイドブック」
特許庁(https://www.jpo.go.jp/)発行 (https://www.jpo.go.jp/support/example/document/chizai_keiei_guide/all.pdf )

『市場・戦い方・連携相手を見極める IPランドスケープマニュアル』
独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT https://www.inpit.go.jp/index.html )の、IPランドスケープ支援事業 令和4-5年度支援事例集。
https://www.inpit.go.jp/content/100881501.pdf


また、本ブログトピックスの以下の記事もご参考になれば幸いです。

『IT業界の連携に考えるIPランドスケープ等による技術動向把握の必要性』 


3.公開されている情報源と活用技術双方にアンテナを張る

すでに、ChatGPTのようなAIを情報収集に活用されている企業も増えている現在、公開情報を収集・分析する動きは、企業の規模を問わず、更に進むことは間違いないところかと思います。

これは、競合他社も、自社の動向を自社の顧客の動向を含めて把握できるということでもあり、チャンスであると同時にリスクも大きくなっていきます

現在は使いにくいと思っている公開情報も、今後活用できるデータベースが出現したり、ネット上の情報を分析する技術やサービスも増えてきたりすることが予想されるため、公開されている情報源にどのようなものがあるか、また、それを活用するためのツールにはどのようなものがあるかについては、常にアンテナを張っておくことが重要となってきていると考える次第です。


Michal JarmolukによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】

・Amazonのバイヤーを装った他社情報の収集が問題視されるなど、情報収集競争は激化していることが窺える
・公開情報の利用技術はAIにより今後も進歩していくことは間違いないと考えられる
・公開情報の活用範囲が広がることは、他社も自社の動向を把握できるということであり、チャンスと同時にリスクも大きくなっていくため、公開されている情報源とその活用技術にはアンテナを張っておくことがますます重要となってくると考える次第です

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