見出し画像

「コト売り」の「場」の変化にどう対応するか?

見出し画像:P TによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

既に多くの方が経験されている、パンデミックによる働き方や消費行動の変化は、
「モノ売りからコト売り」の流れの中で、「コト売りの場の変化」と捉えることができるかと思います。

この変化への対応として、顧客接点などの見直しと共に、「モノ」というリアルな資産の有効活用も重要性を増してくるものと考える次第です。

1.パンデミックで「コト売り」は低迷?

師走ということで今年を振り返ってみると、

パンデミック(ウィズコロナ)で、働き方から消費行動まで、私達の生活も大きく変わりましたね。

これはもちろん日本だけではないようで、世界的にも、外食や映画などから自宅で使用するテレビや家具、食べ物に消費行動が移っているとの記事も目にしました。

働き方についても、以前のブログトピックス『ウィズコロナでの会議運営・ファシリテートのヒント』のように、リアルだけでなく、オンラインのみ、あるいはオンライン・リアル併用と、コミュニケーションの形態が多様化しており、この傾向は今後も続くものと思います。


見出し画像:P TによるPixabayからの画像

2.「コト売り」の「場」の変化

上記の消費行動の変化は、「コト売り(体験の提供)」から「モノ売り」への揺り戻しというよりも、
ユーザーが求める「コト(体験)」の「場」について、自宅以外と自宅内の割合が、自宅内の割合増加の方向に変化していることを現している、
つまり、「モノ売りからコト売りの流れの中で、ユーザーの求める「コト」やそれを体験する場所の変化が起こり、サプライヤー側も対応を迫られている」事を示唆していると感じます。

 これは、自宅でのフィットネスサービス提供やテレワークなどと同様に、運動や仕事という「コト」を行う「場」の変化と考えれば、その流れの中で、外食や観劇や店舗での買い物などの自宅外で提供されるサービスが特に大きな変化と影響を受けているということかと思います。


Mohamed HassanによるPixabayからの画像

3.ユーザーのニーズ変化を「場」の視点で捉えて顧客接点などを見直す

上記のように、「コト売り」でユーザーが求める「消費(体験)の場」が変化していることは、ネットなどに比べてリアルの体験へのニーズが減っているようにも見えますが、

 一方で、以下の記事の、人間搭載型巨大ロボットのように、リアルな体験の価値も依然として健在であり、「モノ」か「コト」かではなく、「コト」の提供方法としてのリアルとオンラインの棲み分けへの対応が重要となるため、
顧客接点の変化への対応を含めてユーザーが求めている「コト(体験)」や価値は何かをその「場」も含めて常に問い続け、検証していく必要性が窺えると感じた次第です。

『搭乗操作型ロボット『アーカックス』の国内先行受注を開始』
2023/9/26の、ツバメインダストリ株式会社https://tsubame-hi.com/)のプレスリリース。
https://tsubame-hi.com/news/pre-sale/

⇒同社のHPで変形するロボットの動画を観ると、私も迫力と共にワクワク感を得て、「空想をリアルに実現する」ことの価値を改めて感じました。


このように、「モノ売りからコト売り」への流れは今も続いており、ただ、「コト売り」でコトを提供すべき「場」が変化していると考えれば、
マーケティングにおける顧客接点も含めて、リアルとオンライン双方で見直しを進める必要性が高まっていると考える次第です。


 なお、上記の「コト売りの場の変化」は、そのまま自社の経営資産の「リアルからオンラインへ」の流れを示しているとは限らないかとも考えています。

 例えば、今年10月から休館したベルリンのペルガモン美術館の長期間にわたる修復工事や、以前NHKでも特集で取り上げられていた、サクラダファミリア教会の建設なども、まさに「リアルな場」で行われるプロジェクトであり、長期かつ資金面でも困難に直面しつつも進められています。

 また、リアルな博物館や美術館がオンラインで提供している仮想見学体験や、VRを活用した仮想美術館なども、今までの芸術品などのリアルな資産があってこそ成り立つものであり、それは最近の生成AIの利用における学習データなどにおいても同様かと思います。

顧客の求める自宅やオンラインでの体験(コト)への変化に対応する上でも、今までの「リアルな体験(コト)を提供するための資産」を有効活用する重要性が高まっていることも併せて感じる次第です。

OpenClipart-VectorsによるPixabay

【今日のまとめ】

・ウィズコロナで、旅行や外食などのサービスから、自宅で使用する「モノ」へと消費行動のバランスが傾く傾向は、テレワークなどの働き方の変化と同様に続いているようにみえる

・上記の変化は「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、「コト」を提供・消費する「場」の変化と捉える事ができる

・コト売りの場の変化への対応では、顧客接点などの見直しと共に、「モノ」というリアルな資産の有効活用も重要性を増してくると予想される

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?