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AIチャットボットなどで専門家や企業の提供価値はどう変わるのか?

【今日のポイント】

今やAIチャットボットはあらゆるところでお目にかかるようになりましたが、その性能や信頼性の向上には、人の関与が不可欠とも感じます。

このAIの学習という面からのAIと人の協業は、専門家だけでなく、企業の提供価値にも新たな可能性を生み出すのではないかと考える次第です。

1.人とAIの協業は進む

もはや、AIチャットボットはあらゆるところで目にし、お世話になっていますが、先月は、世界保健機関(WHO https://www.who.int/「S.A.R.A.H.」(Smart AI Resource Assistant for Health、以下「サラ」と記載します)というAIチャットボットの使用を開始したとの記事を目にしました。

サラのURLはこちら:https://www.who.int/campaigns/s-a-r-a-h

本トピックスの執筆時点では、残念ながら日本語は対応していなかったので、英語で「最近良く眠れないのですが」などと質問してみたところ、
『睡眠不足は健康に良くない、何か原因の心当たりはありませんか?』との回答が返ってきて、原因らしきものを入れると、その原因に関していくつかのアドバイスが返ってきました。

現時点では、自分も知っているような一般的な回答しか返ってこず、まだまだ医師への相談の代わりになるレベルではないなと思いました(ただし、私の質問もかなり簡単だったので、ChatGPT の利用と同じく、質問する側のリテラシーも回答の精度や詳しさに影響しているとは思います)。

また、WHOが現在持っている情報をそのままAIチャットで回答に使おうとして、最新の医療情報などのデータをサラに学習させるところまでは至っていないのではとの印象も受けました(サラの学習データについて確認したものではなく、あくまで私の印象ですが)。

また、医療系のAIとして、Googleの医療特化型AI「AMIE」(Articulate Medical Intelligence Explore)が、人間よりも正確な診断が可能との研究結果が出たとのニュースも目にしました。

AMIEを含む、YouTube上のGoogle(https://www.youtube.com/@Google)のヘルスケア関連AI開発の紹介動画はこちら

後半にAMIEの紹介が出てきますが、その性能もさることながら、人間の医師の模擬診断を利用した学習方法も用いており、AIの性能向上に、学習過程での工夫が入力するデータの量とともに非常に影響しているものと感じた次第です。

2.専門家の役割の変化

昨年12月の本ブログトピックス『生成AIの感情や演技のデータ利用に考える、リアルの価値の再評価と組み合わせ』
でも取り上げた事例のように、AIの性能と信頼性の向上にとって、ユーザー側の情報だけでなく、例えば映画などの演技分野なら俳優、医療なら医師などの専門家による指導や知見・スキルの提供が必要なことは、今後も変わらないかと思います。

これも既に多くの記事などで言われていることですが、
AIに代替される仕事が増えると同時にAIによって新たな仕事も出現する中で、
「AIに教える」という仕事(提供価値)は、「AIを使って、自分(人)は更に高いレベルでの仕事を行う=AIを使いこなす」と並んで、専門家の役割として重要性を増してくるものと、最近のAI関連のニュースや周りの専門家の方々などを見ていても感じています。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

3.自社の提供価値はAIでどのように変化するかを考える

上記のAIの進展による役割や提供価値の変化は、専門家だけでなく、企業でもその規模を問わず同様かと思います。

自社の人材に必要な専門性やスキルがAIで変化するという影響に加えて、
自社が顧客や社会に対して提供する価値も、
自社が利用するAIの使いこなしに加えて、顧客が利用するAIの学習に、自社が今まで蓄えてきたデータや知見などの「知的資産」の提供で寄与するという、いわば「AI研修事業」とでもいった形、今後は特に専門性の高い分野を中心に新たな提供価値となって行くのではないかと考える次第です。

あなたは、自社やお客様が利用するAIを賢くするために何をすべきとお考えでしょうか?

Manfred StegerによるPixabayからの画像


【今日のまとめ】

・AIチャットボットの普及は進んでおり、WHOなど医療分野での利用も今後の拡大が期待されている

・AIの性能と信頼性は、その学習の量と質に左右されるため、利用するデータと並んで学習方法の工夫も非常に重要となり、そこではAIに教える専門家の役割は今後も必要であり続けると予想される

・専門家だけでなく、企業も自社の使うAIの性能向上に加えて顧客が利用するAIの性能や信頼性向上に自社の知見やデータで貢献する「AI研修事業」のような価値の提供も検討することが有効と考える次第です

最後までお読み頂き、有難うございます(*^^*)!
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見出し画像:Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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