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日記アプリを作りたいと思い続けてた男の話

これは「Timelab Advent Calendar 2023」の9 日目の記事です。
Timelab Advent Calendar 2023 - Adventar

前提

本来であればアプリケーションとして作りたくてずーっと温めていたものを、iPhone 15 Proで搭載されたアクションボタンとiOS 17.2からリリースされる「ジャーナル」アプリとの相性がよかったのでどうしても使い始めたくて今回のプロジェクトを始めました。

なぜ前から作りたかったのかと言うと私には子供が2人いて長男が「大吉」長女が「日記(にっき)」と言います。「毎日、日記に書きたくなるような素敵な毎日を送って欲しい」という思いを込めてその名前にしました。

長男の名前は会社名として「Super Lucky Boy Company」として使いました。では娘は?先ほどの娘の名前もあって、子供が産まれてから毎日起こる些細言い間違いや可愛い発言などを記録したく、日記を書こうと思い始めてました。

試行錯誤

定番の「Apple標準のメモアプリ」「Day One」「Everlog」など試してみましたがいずれも長続きしませんでした。

Apple標準のメモ帳
Day One
Everlog

そこでまた考えたものは「日々常に触っているツールに代用させる」でした。
その当時はTwitterだった現Xに自分1人用のアカウントを立ち上げて、そこで日々あった事をその時にTweetするようにしていました。
それは最近までゆるい感じに続いていました。

@nobtako

完全に言い間違い専用のTwitterでしたが私にとっては十分でした。
他に機能はいらず、それが「何月何日」「いつごろ」に行われた事(発言)なのかが重要でした。
しかし編集機能がなかったり書き損じていたりしていたら過去に遡ってTweetする事ができません。そんな事が少し不便に感じていました。

職業柄アプリにしてみたいと思う日々が積もる一方でした。
実際にアプリをデザインしてみましたが納得いく出来になりませんでした。

2023年WWDC

ジャーナルアプリケーション

そして今年のWWDCで突如発表された「ジャーナル」アプリ。
サードパーティー製のアプリができないオフィシャルアプリから「ワークアウト」「最近メッセージのやり取りした相手」「訪れた場所」「最近聞いた曲」「最近聞いたポッドキャスト」などがお勧めされてきます、APIも公開されてサードパーティーアプリからもおすすめを受け取れるようになるそうです。
これから作るアプリケーションにはぜひともこのAPIに対応を増やして欲しいです。
Apple TV や Netflixなど最近見た映画の感想などを書くように促してくれたりすると書くモチベーションになったりすると思います。
Duolingoなどにもぜひ対応してもらいたいです。語学学習の記録をつけたいです。

iOS 17.2

年内に登場の文字

WWDCが終わり9月になりiOS 17が配信されてもジャーナルアプリはリリースされませんでした、例年通りだと17.1がリリースされるのが11月ごろ、大概Appleの言う「年内登場」は「12月ごろ」を示す事が多いです。
実際17.1には搭載されず、17.2のベータから搭載され始めました。
私はどうしても、そのジャーナルアプリを使いたくDeveloper preview に手を出しました。

実際触ってみた感触とてもよく。おすすめをされる物からインスピレーションを受けて日記を続けやすかったです。インポート機能がないので今まで書いていた日記のデータなどはインポートできませんが、毎日自分のことを振り返る時間ができたことはとても良かったです。
Appleがこのアプリを単純に日々の記録用に作ったわけではなくメンタルヘルケアの為に日々の自分の行動などを振り返る事が良いとされていることから作ったとされています。

ショートカットアプリ

このジャーナルアプリで日々を記録し始めてから、改めてもっと細かく何かを記録したくなてきました。

初めはApple標準メモに日々起こった事を普通に記録し始めました。
そのうち日時も一緒に記録したくなりました。

「きょう」の変換候補

日にちは「きょう」などで変換すれば出たのですが、昔のOSではできてた「いま」で時間に変換する方法がなくなってしまったみたいで困ってしまいました。

そこで思い出したのがショートカットアプリです。

バージョン1

バージョン1

バージョン1には標準ノートアプリの中の「タイムスタンプ」と言うタイトルのメモに「日付と時間」を自動で付与してコメント記録していくと言う物でした。
使い始めた時にはそこそこいいと思っていました、使っていくうちに

2023/12/09 00:01 note執筆
2023/12/09 08:00 日記見送り
2023/12/09 08:30 大吉見送り
2023/12/09 09:01 ミーティング準備
2023/12/09 12:00 ランチ

表示が上記の通りになって何か日付の情報が重たく見えてきました。
記録の仕方としては正しいのですが日付が繰り返されている事が余計に感じていることに気がつきバージョン2を作ります。

バージョン2

バージョン2では変数として日付と時間をフォーマットして、それらを再配置しようとしています。

バージョン2

バージョン3

これができた結果から問題が起きます。
UIデザイナーという職業柄、体験を考え始めると「あっちの方がいい」「こっちの方がいい」など考え始めてしまって行き詰まってしまいました。
ショートカットアプリは非常に優秀でしっかり作り込めば色々な事ができます。
それゆえに欲が出てしまい、最適なフォーマットを考え続けてしまいました。
本当ならばMVP(Minimum Viable Product)を制作してから、それらを改良していけばいいのですが、難しく考え始めてしまいます。

そして、親友のLouieの彼女のAlyがショートカットマスターだった事を思い出し助けを求めます。
彼女はサーバーなどを使うアプリ(InstagramやXなどSNSなど)以外は、ほとんど自分のやりたい事はショートカットアプリを駆使して解決してしまいます。

彼女に相談した結果できたフォーマットは

2023/12/09,
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ

2023/12/10,
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ

日付ごとに区切りができて、その日の何時ごろに、何が起こったのか?がわかりやすくまとまったと思います。

バージョン3

すべてのメモの中から「タイムスタンプ」という文字列を探す(1件のみ)

入力を受け取り引き続き「タイムスタンプ」と言う文字列を維持

メモ内の本文の情報を取得

メモ内に現在の日付がある場合は何も付与せず、次の項目へ

メモ内に現在の日付がない場合は日付を付与する

入力を要求しテキスト入力を促す

もし日付が必要な場合は付与し入力した文字列と合体してメモに書き込む

書き込んだメモを開く

バージョン3 概要

しばらくはこの形で運用を続けていましたが、そこでまた不満点が持ち上がってきました。

1ヶ月ほど運用してきたのですが今度は1つのノートに対して文字がつらつらと増えていっているので、振り返ったりする際に1ヶ月の切れ目などがわかりづらいと言う事に気がつきました。

そこで今度は月毎にノートを分けることにしました。ちょうど11月と12月の境だったので試すのにはうってつけの時期でした。

最新版(バージョン4)

そして現在利用し始めた最新版には以下のように月を跨ぐと新しいメモに別の月が作成されてそこに日付ごとの区切りを作り時間とコメントを溜めていく事ができるようになりました。
しかも「Timestamp」と言うメモ内のフォルダにそれがまとまっていきます。
1年運用するとまた何か気が変わるかもしれませんが一旦は今の使用で行こうと思います。

2023年11月
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
29日
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ

30日
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ
2023年12月

2日
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ

3日
00:01 note執筆
08:00 日記見送り
08:30 大吉見送り
09:01 ミーティング準備
12:00 ランチ
最新版(バージョン4)

まとめ

実際に今回ショートカットを制作をしてみて日々の記録が取りやすくなりました。
そしてジャーナルアプリにその日に印象に残った事をかき込んで、その他にショートカットを使って溜め込んだ内容をコピーペーストする形で運用しています。
日々している事の記録であったり、何か起きた些細な事を記録していくことは非常うにメンタルヘルス的にいい事にも気が付きました。

自分が何を重要視しているか、何を重要視すべきかも見えてくるかと思います。
日々の感謝を綴るもいいともいます。だって日々思ってる事だから。

今後の展開

普段から頭の中がアプリのことでいっぱいなので作りたい物などが多々あります。今回作ってみて実際に使い始めてみると色々改善点などが見えてきます。クイックにショートカットアプリなどでMVPを作ってみて日々使ってみて体験を検証すると言うのは本業のUIデザイナーとしての仕事としても活かせそうだと思いました。

現在パートナーのデベロッパーと相談して、元々欲しかったアプリなので今できたショートカットからの改善点を含めてアプリとしてリリースできたらと相談しています。実際にリリースできる準備ができたら告知したいと思います。

もし興味があったら以下にショートカットのリンクを貼っておくのでご自身でも使ってみてはどうでしょうか?
Mac アプリでも動くようにできているので、良かったら使ってみてください

Mac版の入力画面

本文中にある「アプリ」と言う表現はあまり好きではありませんが、Appleが公式にアプリケーションという言葉を日本語で「アプリ」と呼称し始めた為に文中の言葉は「アプリ」で統一しました。

apple.com, macOS, iOS,iPadOS, tvOS, watchOS, visionOS

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