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4年目を迎えるマネーフォワード新卒1期生のキャリアの切り拓き方

この4月にマネーフォワードには45名の20新卒が入社しました。そして同じくして、新卒採用を本格的にはじめた1期生である17新卒のメンバーが4年目に突入しています。マネーフォワードの新卒として過ごしてきたこの3年間で、どんなことを経験してきたのか。17新卒の平野に振り返りとともに話してもらいました!※取材は3月上旬に行っております。

平野 紗希(ひらのさき):2017年新卒入社。『マネーフォワード クラウド』のセールスとしてキャリアをスタートさせ、BPR(Business Process Re-engineering)部門の立ちあげに関わり、現在は『マネーフォワード 会社設立』のプロダクトオーナーとして活動中。趣味はダイビング、美味しいクラフトビールを探して飲むこと。
note:https://note.com/hiranosaki

1年目。受注すればするほど、積み重なっていく”負”の事務作業のジレンマ


---今日はよろしくお願いします!早速、振り返りのために作ってもらったグラフを元に話を聞いていきたいと思いますが、1年に1回、大きな谷がありますね。

モチベーショングラフ

平野:そうですね(笑)1個目の谷は、入社して半年も経たないぐらいだったかと思います。

新卒1年目では、事業推進本部という部署で『マネーフォワード クラウド』の営業をやっていました。日を重ねるうちに、プロダクトの知識が増え、提案力も上がり、導入を決めていただけるお客さんが増えるのはとても嬉しかったのですが、申し込みの社内手続きが整備されておらず、受注すればするほど、単純作業が増えるという状況でした。

当社のサービスは「クラウドサービスを導入して、生産性を上げていきましょう!」と謳っているのに、売っている私たちの生産性がどんどん下がっていたことに、「おかしいな…」と。効率化を発信する企業なのに、自分たちの業務が効率化されていなかったんです。

マネーフォワードが急成長をしているからこそ、社内のオペレーションがフィットしなくなるのも「仕方ないことか」と感じてはいましたが、社員数・ユーザー数が増えるにしたがって"作業"も増えてしまう状況がジレンマだったんです。

そんなとき、ちょうどよいタイミングで、「MFサーベイ」という会社や組織に対する全社アンケートがあったんです。MFサーベイの結果は、スコアが高いものもある中で、 "継続的なオペレーション改善を行い、コスト効率を意識した事業運営を行っている"という項目のスコアが前回よりも下がる結果になりました。

その後、「スコアが低い項目について改善をしていく全社プロジェクトを募集します!」という全社的な呼びかけがあり、これは今の状況を変えるいいチャンスかもしれないと感じ、「生産性向上」のテーマでプロジェクトリーダーの立候補をしました。

全社投票の結果、選ばれてしまって(笑)そこから、同じ課題意識をもった有志のプロジェクトメンバーを募り、社内のオペレーションの負を見える化し、何をどのように改善するかを議論しました。最終的には、私がいる事業推進本部の社内手続き周りの負が一番重いということで、営業もやりながら、BPRの部署を立ちあげることになりました。

立ち上げに際して、カスタマーサポートの部長をしていた木代さんにも異動してもらうことになり、申し込みまわりやSalesforceの改修と、かなり大がかりな改善をしましたね。そのおかげで、今では当時と比べると、受注から申し込み、納品までのフローが随分整いました。

---1年目でいきなり全社プロジェクトに手を挙げたのはどういう想いからだったの?

平野:マネーフォワードに入る前にインターンをしていたベンチャーで感じたんです。「ベンチャーで働くなら、いろんなことが整っていない状況は当たり前。でもベンチャーだからこそ、そのカオスな環境を変えていくことができる。自分で手を挙げてそれを楽しむことができるのがベンチャーだ」と。「課題かも」と思ったことは問題提起して解決していくぞ、という気持ちを常に持つようにしていました。

しかし、この次の第二の谷では、プロダクトに対して変えたいことや改善したいことがたくさんあるけど、自分が何にも出来なくて、ただ不満を並べたり文句を言う人になりかけていることに悩んでいました。


2年目。お客さんからのフィードバックで気付かされた"本当に価値のある提案"

平野:新卒2年目になり、新規で導入を検討するお客さんから、会社としては4~5年のお付き合いのあるお客さんまで、幅広く担当をしていたのですが、自社のプロダクトと自分の提案に自信が持てずに悩んでいたんです。

私は「テクノロジーで世の中を変えたい、ユーザーフォーカスなプロダクトを創り、届けたい」と思ってマネーフォワードに入社しました。『マネーフォワード クラウド』にはその力があるとずっと信じています。

一方で、営業をしてユーザーと向き合うと、いろいろな要望を直接いただきます。嬉しい声もあれば、期待していただいている分、厳しい声もたくさんいただきました。

そのとき、あるユーザーさんから言われたんです。「平野さん、プロダクトや機能については詳しいけど、導入した後に”どう使いこなすのがベストなのか”をちゃんと分かってないでしょ。ベストプラクティスの定義をユーザー任せにしているのはどうなの?」って。

ハッとしました。「『マネーフォワード クラウド』を導入し、その機能を活用してもらうことがゴールになっていたかもしれない。」と気付かされました。『マネーフォワード クラウド』の導入だけでは、バックオフィス業務の中でも一工程の効率化にしか繋がっていなかったんです。

バックオフィス全体の業務フローを把握し、理想的な状態を一緒につくる、その中でツールとして『マネーフォワード クラウド』を活用する、そういった本当に価値のある提案をしたい。

そこで、私にコメントをくれたその方にお願いをして、まずは『マネーフォワード クラウド』のベストプラクティスを教えてもらい、社内に知見を溜めていこうと企画しました。当時の上司からは「すごくいい試みだけど、カスタマーサクセスチームもいるんだし、その人にフロントを任せてもいいんじゃない?平野さんは営業目標を責任持って追ってほしい。」と言われました。

電車のホームからすぐに上司に電話をかけて、「ユーザーさんと向き合っていくうえで必要な経験だと思うので、私にやらせてください!」と伝えました。そして、今まで通り営業もやる約束で携わることになりました。

結果的に、"『マネーフォワード クラウド』の機能をどのように使うか"というミクロの視点ではなくて、バックオフィス業務のフローを整理した上で、そこに"『マネーフォワード クラウド』をどのように組み込むのか"というマクロな視点でユーザーの課題を理解して提案できるようになりました。また、カスタマーサクセスチームと連携して、管理業務設計のベストプラクティスというテーマでセミナーを企画するなどもしました。

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(当時の事業部での合宿の様子)

3年目。キャリアチェンジに悩み転職も考えた日々


---でもまたすぐに凹んでいるよね。これはなにがあったの?

平野:「色々手を出したはいいものの、どれも中途半端になってるんじゃないか?マネーフォワードに所属している時間が長い分、居心地がよくなっていって、成長が止まっているんじゃないか?この先のキャリアってどうなるんだろう。」と不安になってきたんです。まずは、兼任していたBPR部を外れて、また営業に専念することにしました。

それでも「自分はどうしたいんだろうか」を考えていました。同期の転職を耳にしたり、ICCのスタッフを経験する中で、社外の様々な人の価値観を知り刺激を受けていたことが大きいです。営業に専念して今まで以上に出来ることも増えてきた実感があったからこそ、次のキャリアを模索していて、転職も考えていました。

ただ、どういうキャリアを歩もうとも、まずは「やりきってから」にしようと決めていたんです。自分が「やりきった」と思えるだけではなく、そして周囲のみんなからも「やりきった」と思ってもらえる状態がベストだと考えていました。ちょうどその半期、部内で一番高い個人の売上目標数値を追うことになっていました。これまで自分ができるようになったことや、今までできてこなかったこと1つ1つ積み重ねた結果、その目標を達成することができたんです。

その後、「いずれはマーケティングやプロダクトづくりに関わっていたい」という想いもあって、「MFチャレンジシステム」(※)の制度を活用して、現在の『マネーフォワード 会社設立』のプロダクトオーナーになりました。今では、プロダクトの仕様決めやマーケティングなど、作るところからユーザーに届けるところまで幅広く担当しています。
※半年に1回、開催される社内公募による異動制度。

複数のモノサシをもって、キャリアとやりがいを切り拓いていきたい

---いろいろ振り返ってみて、この3年間で気付いたことはありますか?

平野:たくさんのモノサシ、つまり複数の価値観を自分の中に持っておくことです。自分のこれまでの経験から得た価値観だけで決断をするのは、しんどいし限界があります。実は入社前の面接で執行役員の田平さんにも、「複数のモノサシで物事を測ってみるといいよ、自分のモノサシはいくつもあってもいい」と言われました。もう4年以上前のことですが、今でも覚えています。

私は根がネガティブで悩みやすいです。悩むのをやめて動き続けるためには、「この人だったらきっとこう考えて行動するだろうな」といった、自分以外のモノサシが役立つことがあります。複数の価値観を持つために、いろんな人の話を聞いて、モノサシを磨いていきたいと思っています。

仕事の価値観という点では、2年目の谷で貴重な意見を言ってくれたユーザーさんから薦められた『やりがいのある仕事という幻想』という本の中に書いてあったことを今でも大事にしています。

「やりがいとは 本当に素晴らしい仕事というのは、最初からコンスタントに作業を進め、余裕を持って終わる、そういう「手応えのない」手順で完成されるものである。(中略)こういう仕事ができるようになるためには、沢山の失敗をして、自分の知識なり技なりを蓄積し、誠実に精確に物事を進める姿勢を維持しなければならない。さらに、時間に余裕があるときには、勉強をして、新しいものを取り入れ、これはなにかに活かせないか、ここはもう少し改善できないか、と常に自分の仕事を洗練させようとしていなければならない。この自己鍛錬にこそ、手応えがあり、やりがいがあるのだ。」
森博嗣『やりがいのある仕事という幻想』(朝日新聞出版、2013)187-189頁

今思い返すと、いろんな悩みや壁はあったけれども、そこと向き合って、1つ1つできるようにしていたからこそ、切り拓けたキャリアとやりがいなのかなと思っています。

今後も自分が担当しているプロダクトを通じて、ユーザーさんに本質的な価値を届けていきたいです。

本やマンガ、他クリエイターのサポートなどコンテンツ費用に当てるつもりです。感想はnoteに上げていきたいな。