【超短編小説】遠(その9)#140字小説
金属質で光る小さな板を耳にあてがい、その板に話しかけている男。何していると問えば、ねっとも繋がらないとぼやく。第一、身なりが変だ。遠い国から来たのだそうだが、何とか日本語は通じる。今年は何年かと聞くから、15年だと答えたら、昭和15年かと戦く男に、明治15年だと訂正する術はない。
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金属質で光る小さな板を耳にあてがい、その板に話しかけている男。何していると問えば、ねっとも繋がらないとぼやく。第一、身なりが変だ。遠い国から来たのだそうだが、何とか日本語は通じる。今年は何年かと聞くから、15年だと答えたら、昭和15年かと戦く男に、明治15年だと訂正する術はない。
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