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【人間観察】この自転車は誰のモノ?

先日、自転車で近所のコンビニへ、翌朝食用のパンを買いに出かけたときのことだ。生まれて初めて、職務質問とやらを受けた。

まだ11時過ぎだったというのに・・・。

「もしもし、この自転車はあなたのモノですか?」

「ハァ~?」<やまのぼ>は面食らった。突然、制服の警察官二人が暗闇から現れ、進路を塞ぎながら呼び止めるのだ。

「いえ!わたしのではありません!・・・いやいや!わたしの自転車のようなものですが・・・なにか?」気が動転した<やまのぼ>は、自分自身ですら何をいっているのか、わからない返答をした。

というのも、かつては通勤に利用していた娘の自転車だったが、現在カミさんが愛用していて、いま自分が乗っているから、そんな受け答えになったのだ。

「その自転車の鍵が壊されていますが・・・」若い方の警察官が、厳しい目つきでボソリといった。

その言葉で、すべて合点がいった。

「ハイ!わたしが、壊しました!」<やまのぼ>は、出来るだけ明るくいった。

「・・・」二人の警察官は、互いの顔を見合わせながら怪訝な顔つきになる。

「ア~アッ!いえね!・・・」すっかり、容疑者を見る目になつている彼らに、そのキーを壊したワケを<やまのぼ>はあわてて話した。

イキサツは、先々週の日曜の朝にさかのぼる。

カミさんが「自転車のキーがない!」と家中探し回っていた。あげくのはてに、三日も探してもないんだから、どこかで落としたんだと悄げていたのだ。

「そんなの簡単だヨ!ボロ自転車だ!鍵を壊してしまえばいいんだよ!」見かねた<やまのぼ>は、ペンチとドライバーで、鍵を壊したのだった。

人騒がせなことだ!

自転車泥棒に間違えられるのなんて!でも、すでに耄碌爺に成り下がったつもりの<やまのぼ>だが、悪事を働きそうな精彩が、まだ漲っているのか?と、チョッピリ嬉しい心持ちになった<深夜のオツカイ>だった。

ところが、このハナシには後日談がある。なんと鍵を壊した翌日の夜、落としたはずのキーが、カミさんのバッグの底から見つかったのだ。

ホント!人騒がせなことだ!

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