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オリジナル小説@やまのぼ

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<この続き>がどうしても読みたい!と読者を魅了する、連載小説が書きたい! そんな若い頃からの夢に、挑戦続けている古希過ぎた爺さまの小説集です。
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#やまのぼ小説

【読切掌編小説】とろろ蕎麦 (4026字)

「セフレなの・・・」洋子は、周りに憚り言葉を切った。  さらに、私の顔色を窺いながら、「…

やまのぼ
9か月前
20

【連載小説】母娘愛 (30)

👈 前回 (29)より読む  張られた立ち入り禁止の帯が、裕子の腰辺りに鬱陶しく纏わりついてく…

やまのぼ
11か月前
13

【超短編小説】遠(その6)#140字小説

ルームメイトは、なぜか同じ体系で顔まで同じだ、名前は味気ない番号で呼ばれる。自分の手であ…

やまのぼ
11か月前
22

【超短編小説】遠(その5)#140字小説

中学生だった頃。自宅の急こう配の階段下で、よく母と取っ組み合いをした。半畳ほどの板間で、…

やまのぼ
11か月前
20

【超短編小説】遠(その4)#140字小説

高齢の母を平手打ちにしてしまった。それでも、無表情の母を観て我に返った。言うことを聞いて…

やまのぼ
11か月前
21

【超短編小説】遠(その3)#140字小説

彼が初めてわが家にやって来た。彼よりも両親の方が、緊張していた様子だった。それなのに、し…

やまのぼ
11か月前
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【超短編小説】遠(その2)#140字小説

明け放った窓から、遠くの花火の音がささやきかける。あれから五度目の夏が来た。遅れそうだと、花火会場へ急ぐ妻と幼子は、ドライバーの無謀な運転の犠牲になった。遺品だと渡された、真新しくて小さなピンクのズック靴は、私の両手の中で泣いていた。「ママ!痛いよ!」と、今年も私の胸を掻き毟る。 遠 (その3 )も読んでみよう!👉

【超短編小説】遠(その1)#140字小説

巡り合えて三度目の逢瀬の宵。私は思い切って不治の持病を彼に打ち明けた。一呼吸あったにせよ…

やまのぼ
11か月前
21

【連載小説】母娘愛 (29)

👈 【連載小説】母娘愛 を 初めから読む 👈 前回 (28)より読む   新幹線99号は、ほぼ定刻…

やまのぼ
11か月前
16

【連載小説】母娘愛 (28)

👈 【連載小説】母娘愛 を 初めから読む 👈 前回 (27)より読む  前回 (27)までのあらすじ👇…

やまのぼ
1年前
19

【超短編小説】明(その3)#140字小説

 あれが宵の明星だよ!迫る夕闇の彼方を指した彼の指先が、街灯の明かりの中で僅に震えている…

やまのぼ
1年前
28

【超短編小説】明(その2)#140字小説

 確かに消して出掛けたはずの私の部屋に、明かりがついている。合鍵を持たせたあの人が、突然…

やまのぼ
1年前
27

【超短編小説】明(その1)#140字小説

父の介護は近くに住む妹に任せっきりだった。今夜が峠だと知らされ、最終の新幹線で駆けつける…

やまのぼ
1年前
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【連載小説】母娘愛 (27)

👈 【連載小説】母娘愛 を 初めから読む 👈 前回 (26)より読む   恵子はテーブルに出しかけていた寄付金を、仕舞う間もなく放り出し壁際に逃げる。そして、恵子の手から離れた札束は床に散乱。逃げ惑う団員たちの土足で踏みつけられ、引き千切られたお札が数枚宙に舞った。  悲鳴や言葉にならない叫びを伴いながら、壁際にひとかたまりになる団員たち。恵子は言い知れぬ、疎外感を味わいつつ、突然会場に雪崩込んできた男たちの動向だけを追っていた。 「大人しゅうしときゃあ、コイツも大人