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若かりし頃、なにひとつ怖いものはなかった。恐れの存在すら、気にもかけなかった。あの頃、抱…
👈 前回 (29)より読む 張られた立ち入り禁止の帯が、裕子の腰辺りに鬱陶しく纏わりついてく…
遠くに望んでいた山の頂に、いまこの足で立っている。不思議な気持ちと共に成し遂げた達成感が…
キミの火照った瑞々しい裸体に、這わせるボクの指が行き着く先は、意識が遠のくキミにだって明…
金属質で光る小さな板を耳にあてがい、その板に話しかけている男。何していると問えば、ねっと…
最近、一人暮のオレを訪ねて来る人が急に増えた。どこで、調べて来るのか、こんな辺鄙な田舎に…
ルームメイトは、なぜか同じ体系で顔まで同じだ、名前は味気ない番号で呼ばれる。自分の手であり、足のはずなのに、誰かに遠隔操作されているようだ。キョウジュは私を一番可愛がってくれるが、何もかもわからなくなることがしばしば起こる。目覚めれば、キョウジュの明るい顔に出会えることが喜びだ。 遠 (その7)も読んでみよう!👉 👈遠 (その1)から全部読みかえしてみよう!
中学生だった頃。自宅の急こう配の階段下で、よく母と取っ組み合いをした。半畳ほどの板間で、…
高齢の母を平手打ちにしてしまった。それでも、無表情の母を観て我に返った。言うことを聞いて…
彼が初めてわが家にやって来た。彼よりも両親の方が、緊張していた様子だった。それなのに、し…
明け放った窓から、遠くの花火の音がささやきかける。あれから五度目の夏が来た。遅れそうだと…
巡り合えて三度目の逢瀬の宵。私は思い切って不治の持病を彼に打ち明けた。一呼吸あったにせよ…
👈 【連載小説】母娘愛 を 初めから読む 👈 前回 (28)より読む 新幹線99号は、ほぼ定刻…