高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私たちは卵の側に立てるだろうか。〜香港現地レポ〜
7月23日から8月7日の2週間
香港、深圳、マカオなどに行きました
今回は連日メデイアを賑わせている
香港のデモ問題について書きます
さて、行ってみてよくわかるのだが
香港とそれ以外の中国では
市民がアクセスできる情報が
全く違うということ
中国本土では政治面、経済面の両方の理由で、
GAFAはじめ、Twitter、LINEといった
外国のサービスは、ほとんど規制されている
しかし香港だけは
自由なインターネット環境があるのだ
これは、一国二制度だからこその
香港の高度な自治の代表例であろう
中国政府が情報をコントロールするため、
香港以外で流れる情報は
・学生らが騒いでいるだけ
→実際は幅広い年代の人がデモに参加している
・アメリカがデモの黒幕
→貿易戦争などの外交問題とこじつけている
・国旗を棄てるのは許せない
→愛国心を煽り、論点をすり替えている
といった、デモの経緯や背景を
歪曲しているものばかりだ
その結果、香港(人口700万)vs
それ以外の中国(人口14億)の
構図になっているのだ
アヘン戦争以降150年にわたって
イギリスの植民地支配が続いていた香港が
中国に返還されたのはわずか20年ほど前
欧米と中国を結ぶ拠点として
共産党の統治から一線を画す環境下で
独自の発展を遂げた香港人の
アイデンティティは唯一無二のものだ
加えて、香港と中国本土は地続きだが
意外と、香港人と本土人の交流は限定的である
法律が異なるため、人の往来には、
税関並みの審査が課せられているのだ
無慈悲かな、このデモの輪が
香港を越えることはないだろう
少なくとも
経済が成長している今
中国は、アメリカに対抗できる
世界唯一の国を自負している
国民の愛国意識も高いし
政府に対する不満も広がってない
大局として
人々の生活水準が確実に
良くなっているからだ
だから余計に
香港のデモは本土からは理解されない
(そういう情報しか本土では流れない)
今後、中国で急速に高齢化が進み
経済が停滞したときに
民主化の流れが再びやってくるはずだ
今は時ではないと思えてならない
一方で香港の経済格差、移民問題は深刻で
さらには中央政府の度重なる政治的な介入で
自治が壊されるという懸念はまっとうだし
今声をあげなくていつあげるのだ
という気持ちもわかる
ことの背景を知れば知るほど
どうしようもないじゃんこれ
って思うし
毎日、猛暑の日も雨の日も
街に繰り広げて声をあげる同世代を
画面越しに見ているだけの
自分の無力さに絶望する
高くて硬い壁と、壁にぶつかって
割れてしまう卵があるときには、
私たちは卵の側に立てるだろうか。
こうして自問しながら
社会の荒波に向きあう決意を
新たにするしかない
つながりを創る人▷21歳▷趣味はNPOや社会貢献活動▷#箕輪編集室 #西野エンタメ研究所【主催】 #箕輪厚介 in三重(来場200名) / #OWNDAYS #田中修治 in三重(来場150名) / #THETEAM #麻野耕司 in名古屋(来場100名)