見出し画像

世界の都市デザインの旅 その3  2024年カトマンズの都市デザイン

世界の街を巨視的にみると面白い発見があります。なにげなく毎日を過ごしていても、私たちは街の影響をたくさん受けていることに気付かされます。世界の街の旅をご一緒にどうぞ。



その3  2024年カトマンズの都市デザイン
ネパールは初めてです。
さてどんなところでしょうか、興味津々です
多くの都市では、
必要なものが作られます。
例えば  道。 あるいは 水を得るための水道、あるいは下水など。家の敷地が狭ければ、公園などのオープンスペース。
これは平時で、地震や火事によって、破壊されることもあります。
元々この街は、カトマンズ盆地に勢力を持っていた、ネワール族が、多分タミル地区にあるような家を細い道の周りに作り、そこに旧王宮のような寺院等を配したところであったと推察されます。そのあと18世紀1768年ゴルカ王が王朝を作りハヌマンドーカ宮殿内にバサンタプル・バワンを建て1886年まで居住した。その王朝において、ラナの宰相の支配時代にラナ一族はカトマンズ市街地に「ラナ・パレス」と呼ばれる大邸宅を建て、北や東にまちを拡大したと思われます。その頃には西洋的な道路も造られました。
ネワール族は 仏教、ヒンズー教を信じ、かつ多様な部族の集合体であり、多様性と寛容性はあるが、家は中庭を持つ構造で、外とは遮断されていた。したがって、家の中では伝統的であり、家を出た街では、多様なものが混在し、共有していた。つまり、道とか、水道は共有していたと思われます。


タメル地区の中庭



ということで、カトマンズには伝統的ネワール系の街と、その後の西洋的な王政による大規模邸宅が混在し、道路もそれにしたがって作られてきた。現代において慢性的な人口流入と都市膨張で、リングロードが作られ、さらに、その外側に分散拠点を持つ多核都市を目指した、道路建設が計画され、都市間では日本の援助等で高速道路が整備されつつあります。


カトマンズの多極型都市



一方中心地を取り囲む、川の汚染はひどく、下水処理場の建設等、2015年の地震でも明らかなように、耐震性の高いインフラおよび住宅オフィス建設は緊急の課題であるということだと思います。
多分東京のように、長い時間をかけ、着実に道路整備、再開発、さらには軌道系の整備を行うことが望まれます。
ただ、歴史的な文脈の中で培われてきた、チェベット仏教、ヒンズー教、民間信仰と習慣を尊重するカトマンズの寛容と多様性の更なる追求によって、20世紀型のまちづくりを超えることが期待されます。

この調子で、カトマンズへの集中が続くと、地方からの移住者は増えるので、伝統的な住居形態は減るかも知れず、もっと多様な、住宅が求められるかも知れません、これもチャレンジングなテーマだと思います。

あと、ネパールは標高差が大きく、これを考慮して、季節ごとに、住む場所を変えるような、生活もありうるので、これに対応した住宅、オフィスも必要になるかも知れません。


望まれるのは、耐震性など最低限の基準は認めるにしても画一化をさけた、カオティクな自由な住宅、街デザインであると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?