見出し画像

ドラフト直前!ドラフトの仕組みをおさらいしよう!

 10月26日に行われる、プロ野球のシーズンの中でも最も大きなイベントの1つでもある「プロ野球ドラフト会議」。テレビの向こうで、球場のグラウンドで鮮やかにプレーするプロ選手を夢見て、今年は139人の高校生が、177人の大学生が、プロ志望届を提出しました。

 今回は、そのドラフトの手順について、流れを追いながら説明させていただきます。今までドラフトをよく知らなかった方がドラフトについて軽く知れたり、言われてみれば知らなかったことを確認することでドラフトをより楽しむツールになればと思ってこの記事を書いています。
 記事の最後ではドラフトの視聴方法なども載せているので、是非最後までお読みください。

ドラフト直前

 まずはドラフト直前。ここでは全ての球団がドラフトで指名する選手の順番を確認する最後の打ち合わせをします。特にドラフト1位の選手は重複した結果交渉権を獲得できない可能性があるため、様々なケースを想定して順序が決められています。
 球団によっては当日までドラフト1位で誰を指名するかというのを決めていないところもあるようです。決めていても公言するかリークがない限り指名予定選手というのはどこも絶対に明かさないので、当日まで推し球団が誰を指名するのか分からないところもドラフトの楽しいところです。

いざ本番、首脳陣の入場

 そしてドラフト本番。ドラフトは毎年同じ場所で開催するのですが、今年もその「グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール」にて行われます。
 JR東日本の品川駅高輪口から徒歩5分圏内という駅近の超高級ホテルの一角を借りてドラフト会議をするんですね。

 そして、運命の時間です。

 地上波ではアナウンサーの口上と合わせて各チームの首脳陣が続々と会場入りし、別室では全国各地で有望株を探索していたスカウトの方々が待機して準備が整いました。

一巡目の指名方法

 全球団のテーブルに設置された、公開の準備が済んだことを伝えるランプが点灯したのち、ついに読み上げが開始。

 ※上の動画はコロナ前のドラフトの様子ですが、今年から全て解禁されるため同じような形式になると予想されます。

威厳と落ち着きのある声をお持ちのMC・関野浩之氏が、12球団の第一巡選択希望選手を読み上げ終わりました。
 ここで大抵は、希望選手に被りが出ます。1人の選手を複数球団で分け合う訳にはいかないので交渉権を獲得できる球団を1つに絞る抽選が行われます。

 選択した球団からくじ運のいい人(監督やヘッドコーチ、オーナーなど)が1人ずつ集まって、当たりくじが1枚と外れくじが入った箱からくじを選びます。
 合図があってから全員一斉にくじを開き、ここで当たり外れが発覚します。ここで当たりくじを引いた球団は選択した選手への"交渉権"を獲得でき、外れの球団は再度他の選手を選ばなければなりません。

 これを被りがなくなるまで繰り返し行い、終わったところで一巡目の指名が終了します。
 このような選択方法を

入札抽選制度

 と言います。覚えておくと少しお得かもしれません(笑)。

二巡目以降の指名方法

 全球団の一巡目選手が決定し終わると、次は二巡目の選手の選択に入ります。
 ここで注意すべきは、

二巡目以降は決まった順番での早い者勝ち

 という点です。一巡目では被った選手は抽選によって交渉権を獲得する球団を決める、という流れでしたが、二巡目以降は被りという概念がなくなります。

 また、上に書いた通り、指名する順番には決まった順番があり、この順番で指名する方式を

ウェーバー方式

 といいます。このウェーバー方式ですが若干順番がややこしくなっています。
 昨年のドラフト会議の画像を参考にすると、

 二、四、六、八、十巡目は赤の矢印、
 三、五、七、九巡目は緑の矢印の順に行われていきます。

 文字で伝えると、
 パ6位→セ6位→パ5位→セ5位→パ4位→セ4位→パ3位→セ3位→パ2位→セ2位→パ1位→セ1位
 となります。

 しかし、この順番は公平性を保つためセリーグとパリーグを毎年入れ替えます。そのため、今季のドラフトの二巡目最初の指名チームは、セ6位の中日となります。
 そして細かく分けると、偶数順目のような方式をウェーバー方式、奇数順目のような方式を逆ウェーバー方式といいます。

育成ドラフトへ

 というわけで、全チームの指名が終了しました。しかし、このドラフトはあくまでも支配下登録選手の指名であり、ここからは育成選手の指名が始まります。
 これを育成ドラフトとよび、指名方式は先ほどと同じ

ウェーバー方式

 です。奇数順目はウェーバー方式、偶数順目は逆ウェーバー方式となるんですね。
 また支配下のドラフトと違い一巡目からウェーバー方式が適用されるため、育成ドラフトでくじ引きはありません。

全指名が終了!

 そして育成ドラフトも終了し、ついにドラフトの全指名が完了しました。例年であれば100人強の若き有望株がプロの門を叩くことになります。
 しかし、ここで忘れないでいて欲しいのが、

ドラフトで交渉権を獲得したとしても、必ずしもその選手が入団してくれるとは限らない

 ということです。ドラフトで得ることができるのはあくまでもその選手との"交渉権"のみ。最終的な決定権は選手自身にあります。
 そのため、ドラフト1位で指名できても、絶対にその選手が来てくれると思ってはいけないんですね。
 過去には巨人・菅野智之選手が日本ハムからの指名を断ったり、巨人・長野久義選手が高校、大学とドラフト指名を蹴り、社会人に行ってまで巨人への入団を熱望したこともありました。
 大前提として、

 選手がその入団に入るかはその選手が決める

 ということがあるのを忘れないでください。
 とは言っても、プロ志望届を出した選手は基本的に進学せずプロでプレーすることを覚悟した選手ですので、よほどの事情がない限り"指名拒否"というのはないのでそこまで怖がらなくていいと思います。

ドラフトの放送媒体

 最後に、今年のドラフトの放送媒体です。

テレビ

 TBS系列全国ネット放送
 スカイA

ラジオ

 ニッポン放送

インターネット

 U-NEXT
 Sports Bull

 まとめ

 というわけで、今回はドラフトの仕組みについて説明しました。特に「ウェーバー方式」、この言葉を覚えておけば一気に野球通になれるので、是非ドラフトを見る際には意識してみてください。
 明日は、実際に今年のドラフト上位候補の選手たちを紹介していきます。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

出典・画像引用元

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?