侍ジャパンのWBC一次ラウンドの振り返り
ついに開幕したWBC、ワールドベースボールクラシック2023。アリゾナやフロリダ、アジアでは台中に我らが日本の4ヶ所で連日熱戦が繰り広げられています。
プールBに入った日本は3月9日に始まった中国戦から各国を圧倒し続け、4戦4勝、総得点は38点を数えました。全勝で1次ラウンドを突破した日本は、準々決勝でイタリアとの激突が決定しています。
そこで今回は、準々決勝に向けて一次ラウンドでの日本代表の活躍を振り返っていきます。
中国戦:大谷選手が投打で躍動
記念すべきWBC日本代表の開幕マウンドに上がったのは二刀流・大谷翔平選手でした。
投手として4回を無失点に抑えた大谷選手は、0-1と1点リードで迎えた4回裏にタイムリーツーベースでさらに2点を追加し、点差を広げます。
大谷選手の活躍に感化したサムライ打撃陣も奮起します。7回に牧秀悟選手のWBC日本代表第一号が飛び出すと、8回には壮行試合で不調だった山田哲人選手や甲斐拓也選手にタイムリーが飛び出し、1-8と大量リード。
野手陣に呼応するように大谷選手の後を受けた投手陣も好投を披露します。
2番手として登板した戸郷翔征選手は3イニングで1失点こそしたものの、9つのアウトのうち7つは三振を奪う快投。
その後にリリーフした湯浅京己投手、伊藤大海投手も2人合わせて5奪三振の好投を見せるなど、開幕戦に相応しい内容となりました。
また、この試合でラーズ・ヌートバー選手がWBCデビュー。2安打に加え1盗塁、守備では3回にスライディングキャッチを決めるなど、まさに走攻守で活躍しました。
韓国戦:打線が爆発
開幕戦を勝ち取った日本代表は、宿敵・韓国との一戦に臨みます。奇しくも先発は2009年の決勝、韓国代表を9、10回と抑え、世界一に導いたダルビッシュ有選手でした。
しかし、ダルビッシュ選手は3回表にツーランを浴びるなど3点を失う結果に。いきなり苦しい展開になるかと思いきや、直後の3回裏にヌートバー選手と近藤健介選手の連打で1点差に迫り、チャンスに強い吉田正尚選手の一打で逆転。
打線はこの勢いのまま5回には2点、6回には5点、7回に2点を追加する大暴れ。とくに吉田選手はこの試合5打点と荒稼ぎでした。
あわやコールドという試合展開でしたが、投手陣も油断することなく今永昇太選手-宇田川優希選手-松井裕樹選手-髙橋宏斗選手と繋ぎ1失点リレー。4-13で宿敵に大勝しました。
チェコ戦:3.11に"令和の怪物"が世界へ
チェコ戦の日付は3月11日。日本人にとっては忘れてはならない1日です。日本代表も試合前に輪になって黙祷を捧げました。
東日本大震災で被災し、父と祖父母を亡くした佐々木朗希選手は、12年経ったこの日に世界に羽ばたきます。
様々な想いを抱えて投じた66球はチェコ打線を4回途中まで1失点に封じました。この投球に胸を打たれた方がたくさんいるのではないでしょうか。佐々木選手のピッチングは、震災で傷ついた人々にエールを届けたと思います。
一方打線は相手先発・サトリア選手に苦しみます。普段は電気技師の仕事をしている右腕の120キロ台のストレートに日本代表はキリキリ舞。しかし2回り目からはどの選手もしっかり対応し、最終的には11安打10得点。5回からは9回まで宮城投手が見事なピッチングを披露して、日本代表が2-10で勝利しました。
チェコ代表の選手たちは負けてしまいましたが、そのフェアプレー精神などに心打たれた観客の方も多いのではないでしょうか。チェコ国内では、このWBCで初めて野球が国営放送されたそうで、チェコ国内での野球が一歩前進したそうです。
心優しいチェコ代表の選手たちということもあって、双方心が温まる3.11の試合になったのではないでしょうか。
オーストラリア戦:7得点で快勝
勝てば全勝で準々決勝進出が決まる日本代表。そんな中、いきなり1回にこの試合最大の見どころと言ってもいいシーンが発生します。
1回表、ヌートバー選手と近藤選手が出塁すると、チャンスで大谷選手。1ストライクからの2球目。ライトへ大きなフライを放つと、打球はそのまま東京ドームの看板に直撃。自身の広告看板に突き刺すという極めて稀なホームランで日本代表の先制を大いに演出しました。
日本代表先発の山本はオーストラリア打線を4回1安打に封じると、その後のリリーフ陣も4安打に抑え込む好継投。9回に髙橋選手が一発を浴びてしまいましたが、それ以外は文句のつけようがない内容で、一次ラウンドを終えました。
ここまで非常に良い内容で突破できている日本代表ですが、いいニュースだけではありません。
ショートのレギュラーを張っていた源田壮亮選手が韓国戦で指を骨折しており、本人の強い意志でベンチにはいるものの、なかなかスタメンで使うのが難しい状態です。ですが、ここを中野選手が脅威の頑張りで穴埋めをしており、ショートはどうにかなりそうです。
抑え候補として名前の挙がっていた栗林良吏選手は、なんと腰の張りを訴え代表を離脱。WBCでの登板なく無念のリタイアとなりました。
代役として、オリックスの山﨑颯一郎選手が代表に合流するようです。山﨑選手は昨年の練習試合でも登板しており、公式球にも慣れているので準々決勝からの貴重な戦力となりそうです。
3月16日からはイタリアとの準々決勝がありますが、
・二刀流大谷選手の存在
・チームを盛り上げてくれる最高の"サムライ"ヌートバー選手
・150キロ超えのストレートで制圧する投手陣
・みんながみんなチャンスに強い打線
という現有戦力なら、油断がなければ勝利は先ず堅いでしょう。ですが、決して慢心することなく、日本代表の選手たちには戦い抜いてほしいです。皆さんも、ぜひ日本代表をお家でも、球場でも応援しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?