あまりにも簡単に 難しい命は消える

悲しかったはずだ
あの日、電波越しに友人の死を知った時は

きっと悲しかった
ちゃんと、悲しめていたはずだ

僕は彼の一番の友人ではなかった
だからこそしっかりと悲しまなければいけなかった

ごめん

本当はあまり悲しめなかった

泣いたらあなたを悼んでいることになるか

嗚咽した分、あなたを想うことになるか

そんなにチープな弔いなら、おそらく君はいらないだろう

ごめん

酒を飲んだ

馬鹿みたいに酒を飲んで、トイレでうずくまって

酒を吐き出した時、僕は生きている気がした
僕だけが生きている気がして

その時初めて

君を想って泣いた

ごめんな、こんなに自分勝手で

ごめんな、もっと仲良くなれなくて

ごめんな、僕だけがまだ君を想っているようで

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