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残ったチタンボルト、この世にはいない兄の物質

兄の火葬後に残ったボルト。大きな手術をしたから何本ものボルトとそれを固定するプレートも残ったのだけれど、火葬場の人にきちんと供養いたします、と言われ、とっさにはいと言ってしまい後悔したのだけれど、この1本だけは持ち帰ってきた。

やけに軽いそのボルトの素材はチタンだということを、昨日兄の友人から聞いて知った。その友人も大怪我をし、体のチタンのボルトが入ってることを話していた。チタンだからきれいな焼き色つけられるよ、なんて話していた。知ってる、アウトドアグッズもほとんど持っているのはチタン製で先日シェラカップに焼き色つけたことを話した。

もうこの世にはいない兄の物質が、このチタンボルトと、骨の一部。粉骨を母の自宅で行ったから、そのときに骨もいくつか形を残して持っている。体の一部を所有していたかった。唯一この世に残ってる兄の形。記憶は薄れてしまうけれど、でも私が大切に扱ってさえ入ればきっとこの先も残り続ける。

そういえば母も人工骨が入っているからきっと火葬のときにでてくるんだろう。素材はなんだろう。兄のボルトのように真っ白く包まれた物質がでてくるのかな。


最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたサポートをどのように活用できるかまだわからないです・・・。決まるまで置いておこうと思います。