大体大丈夫を、ほぼ大丈夫にしたい

今日から母は1人でお風呂に入る。

介護は始まって2年弱、お風呂に入るときは入り口まで付添い、手を貸して中に入り、出るときは呼び出し音を鳴らしてもらい迎えに行く。

たまに母が入りたい時間に手が離せない用事があったりすると、母は待ちぼうけをくらい、用が終わった頃にはもう母は入るのが面倒になることがしばしあった。その度に1人で入りたいと言われていた。けれど、もう少し待ってと何度も先延ばしにしていたのだけれど、でも本当はもっとずっと前から1人で入っても大丈夫なぐらいに足に筋肉がついてきたことを感じていた。

1人でお風呂に入れるようになるとどんどん先走り、私がいないときでも1人で入ってしまうような気がしてそれが怖かった。けれど、私のせいで母が好きな時間にお風呂に入れないことは以前から申し訳ないと思っていた。だから、1人で家にいるときは入らないことと、入るときは声をかけてくれること、出るときはいつも通り呼んでくれることを約束した。

ピピピッと音がなり、
はいはーいとお風呂場へ向かう。

私「普通に入れた?」
母「全然平気。だから出るときも1人で大丈夫」
私「それはだめ」
母「だって今までだって大体大丈夫でしょ」
私「大体じゃだめ。1度でもだめだとだめなの。ほぼ大丈夫じゃないと」
母「そうだね」

こういう話、やっと母が理解してくれるようになった。1度でも何かあったら大変だから1度も起こさないようにリスクを減らしたい私はこの2年、しつこいぐらいに言ってきた。でもその度に、お母さんのことを信用していないんだと言われ続けた。そういう問題じゃないと言っても最初は理解してくれず、どうやったら理解してくれるのか悩んだ末、お母さんを信用していないんじゃなくて人間を信用していないと言うようになった。それで理解してくれたようには思わないけど、すごい剣幕で怒っていたところからこの子は何を言っているんだと苦笑いになった。

大丈夫って言って大丈夫ならばきっとこの世界はいつでもどこでも大丈夫なことしかないはずなのに、大丈夫なことばかりじゃないじゃん、までいうとこの屁理屈め!と言われる。でもそれが本当なんだから仕方ない。けど、大丈夫大丈夫っておまじないは必要だから、母にはいつも大丈夫大丈夫と言っててほしい。私がその大丈夫を補完する。

最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたサポートをどのように活用できるかまだわからないです・・・。決まるまで置いておこうと思います。