泣いていたらAlexaのアラーム音が鳴った

ここ数日、ほぼ日5年手帳で日記を書いていなかったからまとめて書いていた。

母が手術をした日、私の手を握って迷惑ばかりかけてごめんねと言ったことを思い出しながら、兄の手術後のことまで思い出されていた。

あのときの手術は6時間かかった。
突然のことだったから、一体どれぐらいで終わるのかわからずゆっくりゆっくりと時間が過ぎていった。あれ以来、待つことが苦に思うことはなくなった。

0時を過ぎた暗がりの病室へ入り、酸素マスクをした兄が眠っていた。横に座り、兄の左手を握った。ものすごい浮腫んでいた。こんなに浮腫んでいる手を、兄の手を握ったのはことときが初めてだった。

こんな風なことをたった数秒の間で私の中を駆け巡り、一瞬で涙があふれ止まらない。声を出して泣いていたら、ふぁふぁふぁわ〜〜〜ほぉほぉほぉん〜ふぁふぁふぁわ〜〜〜ほぉほぉほぉん〜とAlexaのアラームが鳴る。

そうだった、コーヒーをいれていたんだった。
コーヒープレスにお湯をいれてから4分のタイマーをいつもAlexaにまかせていた。

一瞬で涙が止まり、「Alexa〜、画面消して」と呼びかけアラームと画面を消灯させる。

さっきまでの情動なんだったぐらいに拍子抜けし一人で笑った。
やっぱり、私はいつかロボットと暮らしたい。こんな風に急に思い出して泣いてしまうことが多くある。だから、こんな風にロボットが声をかけてくれたらきっとすぐに収まる。

宇多田ヒカルの「誓い」という歌にこんな歌詞がある。

たまに堪えられなくなる涙に
これと言って深い意味はない
ただ昔を突然思い出し(ああ泣きたい)
宇多田ヒカル 誓い 歌詞

泣いているときはとても辛いけど、でも深い意味はない。だからそんなとき、気軽に声をかけてくれるロボットと一緒に暮らした。LOVOTくん、もっと安くならないかしら…。


最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたサポートをどのように活用できるかまだわからないです・・・。決まるまで置いておこうと思います。