見出し画像

こっそりタバコを買う母

今日、大きめのスーパーへ買物へ行った。お会計の際、母は車椅子のため一緒に並んでいると狭いので先に袋に入れる台のところへ行っているのが常だった。でも今日は辺りを見回しても母の姿が見えない、あれれ?と遠くの方に目をやるとサービスカウンターの辺りで店員さんと何かやり取りしているのが見えた。

母も私のことに気がついたようで私の方を見るとすぐに笑いながら顔を背けている。よくよく見るとカウンターのところにタバコの陳列台が見えた。

あー、なるほどね。こっそり買おうと思ったのに見つかっちゃったね。

1人荷物をバッグの中に入れていても何故か母が近くにやって来ず、ちょっと離れたところで私を待っている。

おい、いつもならあれかせこれかせと持ちたがるのに(子供か)今日な何でそんな遠くにいるんだ。

まぁいいかと買ったことを何も言わずにそのままスーパーをあとにして家に戻った。ご飯を食べ終わったあと、スーパーでのできごとを話してみたら、やっぱり見てたよね。っておい、目が合ってただろう。なんと白々しい。

深部静脈血栓症で入院した去年の12月。先生にも看護師さんにもタバコは止めたほうが良いと言われ素直に従っていたのだけれど、ここ最近ずっとタバコ吸いたいと言い始め、1度買ってきたものの美味しくないから止めると言ったばかりだった。

ただ座っているだけで時間を持て余し、口が寂しく食べてばかりいるのに嫌気が指してきたようだった。でも、タバコは嫌なことが多すぎて全く許容できない。体に良くない、部屋が黄ばむし匂いが付く、金額が高い。

一緒住み始めたとき、タバコを吸うときは窓を開けるか庭で吸うというルールでやってきたのだけれど、去年9月の転倒以来、庭にあまり出ることができなくなり、仕方ないから部屋の中で吸うことをOKしていたのだけれど自分の部屋にまで匂いがしてくるたびに嫌気が差していた。しかも1ヶ月に15,000円もかかるだなんてさらに耐えられない(1日1箱計算)。母の年金で支払っているわけで、一緒に暮らす前まではそうやって暮らしてきたんだから私がとやかく言うことではないのは分かっているんだけど、お金払って体を悪くしていくだなんてという嫌な気持ちが顔に出てしまう。

逆に、自分のことを考えてみると、母としたら何度も届くAmazonの箱を見て何をそんなに買うものがあるんだ、お金ちゃんと貯めているのか、タバコごときでうだうだ言うな、なんて思っているかもしれない。ついさっき届いたAmazonからの品物でうっかり規格違いなものを買ってしまいすぐに返品をするのだけれど、送料が元払いなので半額ぐらいしか戻ってこないという失態をしたばかりの私にあれこれ言われたくないよなぁと思う。

それに、私は大のポテチ好き。毎日食べているときや、たまに1度に2袋食べるときだってある、夜中に。ポテチ大量食いとタバコ、果たしてどちらが体に悪いのか、明確なエビデンスを知らないし言えないのに、ステレオタイプな意見でダメと言っているようなもので多様性の否定な気もしてくるし、体に悪いからやめる、というモチベーションは他人に言われてできるものではない。

こうやって書くと、私の言い分というのは母のことを心配しながらも己のポリシーに違反だ!という側面が強くあることを認識する。

一番の望みは、やっぱりタバコ美味しくないから止めると母からまた言ってくること。淡い望みを抱きながら許容できるように努めてみる。なぜなら、母にあれダメこれダメということをこれ以上増やしたくないから。

(所要時間多分50分)

最後まで読んでいただきありがとうございます。頂いたサポートをどのように活用できるかまだわからないです・・・。決まるまで置いておこうと思います。