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良い作物を育てるために

窓際に立ち、外を眺める。
作業をしていてぼーっとしたい時は雲か飛行機をみることにしているからだ。今常駐しているオフィスは17階にあることが幸いして割と遠くのビルの山まで見える。

ゴルゴ13だったらこの窓際に立ったタイミングで5km先にあるあのビルから頭を撃ち抜いてくるんだろうなぁ。なんてくだらないことも考える。どうして撃ち抜かれる側なのかというと、ぼく自身があまり目が良くないため狙うに値するターゲットが見つからないからという理由だった。
見えないところから撃ち抜いてくるデューク東郷の怖さを思った。

ひょんなことから新宿(とくに歌舞伎町)をディグることにした。調べるのが大好きな人からしてみると、今は大さじでちみちみ土を削っているように見える速度かもしれない。だけどいいのだ。いずれこの大さじだってスコップになる日が来るはずだ。

新宿というのは江戸の「西の守り」だったそうだ。
「???」
本を読んでいると突然江戸って出てくるし、守りってなんだ、西ってことは他の方角もあるのか?とかなんとかぼろぼろとわからないことが出てくる。

前まではこのようなわからないものが無限に増える感覚が苦手だった。残り何秒で終わるのかわからないもぐら叩きをしているような。
今となっては無限モグラ編への突入をどこか歓迎している自分がいる。なんでだろう。
結びつける能力が楽しさを見つけてくれる。そんな感覚がある。

例えば、新宿という街がその名前になったのは日本橋から伸びる五街道のうち、甲州街道沿い+江戸(当初)の端っこである場所に宿場町を作ったことが発端らしい。
埼玉で育ったぼくも「参勤交代」の言葉くらいは覚えていたが、正直、五街道がどこを通っているのかなんて覚えづらかったし、覚えようともしていなかった気がする。
今になってスーーっと理解できるようになったのは、その道を通った思い出だったり、他の似た経験を重ねられるようになったからだ。

甲州街道という言葉を改めて認識したのはspotifyが勝手におすすめしていた時に出てきた「甲州街道はもう夏なのさ」を聞いたのがきっかけ。
その時に甲州街道を調べ、新宿で聞いてもいい曲じゃん!となったのを覚えている。

無限モグラ叩き編をしていると、前に似たようなものを見たことある気がする!が訪れる。年表で言うなら、通信業界ではこの年にこれが生まれたけれど、新宿という土地に絞ってみるとこんなことが起きてたんだ!みたいな。
水滴と水滴がぶつかってまた大きな水滴になるような感覚が好きになってきた。
いわゆる「これ進研ゼミでやったところだ!」が気持ちいい。

書きながらdigすることが楽しくなった理由が頭に浮かんできた。
そのdigを表現できる場を持ったことが大きいのかもしれない。

10月以降コンペティションへ参加してみている。やりきった!と思って出しては後ほど足りないところばっかだなぁ。とダニングクルーガーばかりだけど。
ただ、参加していく中で、これまで経験した・頭で考えたことが突然弾ける瞬間がある。その瞬間がどうしようもなく楽しかった。
それ以降、どんなことでもコンペや表現のネタ・タネになるんだと思えている。

良い作物を育てるためには土にこだわる必要がある。
栄養を多く含んだ柔らかい土が好ましい。
digというのは文字通り、いい花・いい作物が育てるために必要なことなのかもしれない。

なんの種を植えるかは決めてないけど、まずは土から耕すことにする。

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