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【詩】 蜂蜜煮込みレモン」

「蜂蜜煮込みレモン」

落ち着いた雰囲気で
アンティークな物に統一された
カフェでお薦めのスイーツに
載せてある
蜂蜜煮込みレモンは

甘過ぎ無い程度に
甘味があって
酸味もほんのり
果皮も柔らかで
ほど良い苦味が
なんとも美味しい
蜂蜜煮込みレモン

だけど
何か物足りない
あの暑い炎天下で
きみにもらった
はちみつレモンは
果皮は硬くて
とっても甘いのに
その甘味は
全て 酸味に持っていかれて
あとは苦味と少しのチリチリ感

青いと感じていた
トゲトゲしいような
ドキドキするような
刺激は 無い

それは きっと
煮込まれたから…
だけでは無いと感じてる

心の襞に覆い被せた
安息という生活を送る為の
ノウハウや経験という
バリアが跳ね返しているから
なのかもしれないし

時間という鍋の中で
じっくりと気付かない程度の
弱火で沸き出さないように
鍋から吹きこぼれないように
知らず 知らずの内に
ぐつぐつと煮込まれたのは
私の心なのかもしれないし

だから
気付かなくなったのか

何か違うような気がして
昔を思い出し
引き出しを探してみたが
見当たらない
無くしたのだろうか

それとも
何かと交換したのだろうか

#詩
#小話
#散文

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