定年後再雇用とか役職定年とかでお給料が減ること
お金お金と言ってるわりには、私はお金のかからない人間である。お金が好きなだけで買い物が好きなわけじゃないし、質素な暮らしが標準なので。
一方で、世の中の人って私が思ってるよりもお給料が欲しいものらしい。
以下、社内外で聞いた話。お住まいは全員都内への通勤圏。
Aさんのケース
独身・子どもなしで持ち家で独り暮らしのAさんは60歳以後定年後再雇用で働いてる。60歳までの給料と比べて定年後再雇用の給料は40%くらいまで下がった。65歳以後に受け取る年金の月額は再雇用中の月給よりさらに下がる。「こんなに働いたのに年金はこれだけなのよ、足りないわ」とぼやいてる。
Bさんのケース
夫婦共働き・子どもなしで持ち家暮らしのBさんもAさんと同じく60歳以後定年後再雇用で60歳までの給料と比べて定年後再雇用の給料は40%くらいまで下がった。将来が不安なので家計の節約を始めたという。「私たちの仕事は4割の給料で十分って会社に認識されているんですかね?」とぼやいてる。
Cさんのケース
子どもは独立して専業主婦の奥様と賃貸で二人暮らし(会社からの住宅補助あり)。年功序列的な待遇で57歳まで給料が上がり続けたが、会社の人事制度変更で月給が5%くらい下がった。「減給されるようなことをしてないのに給料が下がるなんて酷い」とぼやいている。
Dさんのケース
大学生の子供を含む4人暮らし、持ち家で夫婦共働き。会社の人事制度変更で65歳定年になったけれど、50歳以後65歳に向かって少しずつ(10%/年前後)給与が下がる設計。「50歳以後で子供が大学生というのは普通なのにその期間に給料が下がるのはきつい。それに60歳で退職予定だった人が65歳まで働かないと回収できない設計に変わったのも変」とぼやいている。
これらの話を並べて思った。なんというか「本当に『お金が足りない』っていう話じゃなくて気持ちの問題」、というのが私の感想。
他の人より給料が低いのはイヤだ。
去年の自分より給料が下がるのはイヤだ。
結局、給与に関する不満はこの2点に尽きるようだ。月給15万円の人も、月給100万円の人も、金融資産数万円の人も、金融資産1億円の人も、みんなみんな、他の人よりも去年よりも手取り収入が下がるのはイヤだ。
私はこれまでに月給が下がったことは無いので、上記の人々の本当の痛みがわかっていないだけなのかもしれない。
でもなー、給料額って表札に表示されるわけじゃないし、月間支出を上回ってさえいれば、減ったからって大っぴらに騒ぐようなことなのかな、と。
そりゃ、私も業績やら評価やらでボーナスが前年より下がると、金額見た瞬間は「ちぇーっ」って思うよ。思うけど、その一瞬だけだ。ローンを含む借金をしたことがないし、常に貯めてるので、ボーナスが少なければ「少ないな」で終わり。何も困らない。リーマンショック後5年くらい、持ってる株の評価額が大幅にマイナスだった時期も「別にこれで朝日が上らなくなるわけでも死ぬわけでもないし」(東日本大震災は起きたけど)と、割り切れたくらいには預貯金もそれなりにあったし。
まあ、配偶者がお金に汚いタイプだと、お給料が減ったらぐちぐち言われるのかな。
あと、私の生活水準が低すぎて、みんなと話が合わないだけ、って可能性もあるな。
うち、車も無いし。就職してから10年以上大都市圏外に住んでた(勤務先があった)時は必需品なので車を持っていたけど、今は都内なので車は贅沢品。でも、夫婦共働きなら車でも持たないとお金が余って仕方ないし、車があれば週末くらいはどこかに出かけるかってなるし、せっかく出かけたから美味いもの食べてお土産も買うか、日帰り温泉でも入ろうかってなると、車の税金と任意保険と車検だけでも月額に均したら1万円はかかるし、ガソリン代と遊興で1回に3万円、毎週遊びに行くと12万円/月、10年に一度は買い替えて200万円。うん、年間160万円以上、なかなか素敵な金額になっちゃうね。それでも、宿泊や飛行機の旅行は年2回、普段は家で自炊ですよ、ということなら、贅沢してない普通の生活の水準なのよね。
そうか、だからジョブ型雇用なのか。ジョブ型は基本的に給料が上がらないから(よほど会社の業績が良ければボーナスで還元)。その分、給料が大幅に下がることも無い。だから平和。
転勤も異動もないジョブ型雇用が良い、という声は大きい。給料が上がらないとか、社内で環境を変えたりキャリアを積む余地も無くなる、というデメリットを無視して。