【ES添削 #1】ガクチカ :ひとつの設問の中で複数のエピソードを語るべからず!(23年卒女性・IT系企業志望)
最近の就活生は「学生時代に力を入れたこと」を「ガクチカ」と呼ぶそうです。そうとは知らずに、最初当たり前のように「ガクチカ読んで頂けますか」と言われたときは、2億4千万のハテナが浮かびました。まぁそんな話はさておき…
前回の記事でES添削の募集を行ったところ、早速僕のインスタにメッセージを頂きました!勇気を出してご連絡頂きありがとうございます。早速読んでみましょう!
皆さんはご覧いただいてどう思われたでしょうか?
まずは、ES最強フォーマットに当てはめてみます。
するとこんな感じです↓↓↓
ちなみに、私のES最強フォーマットについて詳しく解説した note もありますので、是非ご参照ください。
それでは早速、具体的に添削していきましょう!
<1>原文
【Good!!】
①具体的な数字、成果がある!
最初に「リーダー」「完走率90%」「全国1位」といった具体的な言葉が飛び込んでくるので、読む前から「なんか期待できそう」という印象を受けます。(※ただし、ここが先程のポイント①②の両方に違反しているので、あとで修正します)
② Action に文量を多く割いている!
多くの学生さんがS:Situation(状況説明)に文字数を奪われてA:Action(行動・発言)が短くなってしまうなか、相談者さんは理想文字数を遥かに超えてたっぷり文字数を割くことができています。この意識はものすごく Good ですね!(※ただし、ここにも注意点があるので後で修正します)
【更に改善できる!!ポイント】
まず、GAFA面接でも求められるエピソードトークの超基本フォーマット S.T.A.R. について、あらためて簡単におさらいです。
そのうえで、このESを一言で言えば
「結論」+「STAR」+「再び結論」のバランスが悪い
という状況です。
ここには大きく3つの原因があるので、それぞれコメントさせて頂きます。
1)最初の「結論」
まず、長くなってしまっています。この原因は、エピソードの結論まで一息で書ききってしまっているからです。ただ、エピソードの結論をちゃんと理解するためには、ちゃんと「S(前提状況)T(タスク)A(あなたの行動)」が理解できていないと、よくわかりません。なので、最初の結論では「◯◯◯の長期インターンです」だけでOKです。
更に、「そこで◯◯◯を得た/感じた/学んだ」といった内面が書かれていません。これがあると、最初の"掴み"として、あなたのキャラを印象づけることができます。そのうえでエピソードを読んでもらったほうが、状況がイメージしやすくなるので、有効です。
2)A:Action が長すぎ→複数の行動を詰め込もうとしたから
何故そうなってしまったのか?
それは、400文字しかないなかで2つのエピソードを詰め込んだからです。
ふたつの異なるタイプのエピソードを盛り込んだために、ひとつひとつのエピソードが深掘ることができず、しかも文字数が増えてしまったのです。結果的にどちらの話も印象が薄くなってしまいました。
なので、相当な文才をお持ちの方で無い方でない限り、
【原則】1設問=1エピソード+1結論
これに徹して頂くことをオススメします。
「とはいえ、リーダーだったことも全国1位だったことも、しっかり全部アピールしたいよ!」と思う学生さんは多いでしょう。
しかしご安心ください。
実際のESでは、このガクチカ以外にも何個か設問があります。なので、アピールポイントが複数ある場合は、ひとつの設問のなかに複数詰め込むのではなく、設問ごとに散らばらせるようにしましょう。ちゃんと惜しみなく皆さんのアピールポイントを詰め込むことができるはずです。
3)S:Situation(前提となる状況説明)が薄い!
ココこそが本日最大のポイントなので是非ご覧ください!
「詳しく説明したら長くなるし、削ると”もっと具体的に”って言われるし、もうわけがわからない!」というのが、多くの学生さんの悩みどころではないでしょうか。僕もそうでした。
一番良いのは「人に読んでもらう」ことです。
自分ひとりで考えていては、いつまで経ってもどこがわかりにくいのかわかりません。なので、家族、友人、先輩など、身近な人でもいいのでまず読んでもらってください。一番いいのは、社会人に読んでもらうことです。
S:Situation(前提となる状況)で書くべきことは何なのか?
今日皆さんに覚えていただきたいポイントは次の2つです:
少し極端な例ですが、例えばサッカーサークル所属だった学生が、「私は自分がいかにたくさんのシュートを撃てるかを意識して、攻めに徹しました」と説明したとします。そして面接官が「つまりフォワードだったってこと?」と質問したところ、答えが「いやキーパーです」とか「いや審判です」だったら、「いやあなたがシュートを決めに行くって変でしょ!」と思ってしまいますよね。
ちょっと明らかにズレすぎている例ではありましたが、実際にはこういった「ポジションと行動の不一致」あるいは「前提となるポジションがよく理解できないままエピソードが進んでしまい、その行動が適切だったのかイメージできない」というESが大量にあります。
そうなると、実際のアクションがどんな素晴らしかったとしても、「何言ってるのか全然わからないなぁ」と思われて落とされてしまいます。
今回のESではどうでしょうか?
などの説明不足があります。
これでは、相談者さんがどのような役回りの人物なのか、何故完走率が低いことが課題になるのか、などの話の前提がわかりません。
かといって、すべて説明していては文字数が足りません。
そこで、
① Task、Action を理解する上で必要な情報 →説明追加
② Task、Action にも関係ない話 → 全部削除
とします。
例えばこんな感じです。
<2>修正~第一段階~:「S.T.A.R.」をわかりやすく
まとめると、まず文字数や構成だけの修正案はこうなりました:
とりあえず、「結論」+「STAR」+「再び結論」の形は整いました。
ただし、このままでは「◯◯◯」だらけでわけがわかりません。ここから先には、実際の経験者である相談者さんに話を聞きながら、二人で具体的に「◯◯◯」を埋めていきます。
<3>修正~第二段階~:「結論」+「再び結論」はエピソードと合致しているか
相談者さんと話をさせて頂き、さきほどの◯◯◯を埋めるために、エピソードを深堀りさせていただきました。(ここは僕自身の経験ではないので、本人と話し合いながら埋めていくほかありません)
本当はもっと具体的に掘り下げたいところでしたが、400文字という字数制限の中ではこれくらい書けていれば十分ではないでしょうか。この続きは、面接の場でということで。
しかしまだ「結論」+「再び結論」は埋められていません。
そしてここを埋めるときに、結構大事なポイントなのことがあります。それは、エピソードとアピールしたい結論が、全然噛み合っていない学生さんが多いということです。
そのため、逆にエピソードを書いてから、それを読んで「これは自分のどんな人間性を表しているだろうか」ということを一旦立ち止まって考えることをオススメします。
もちろん、先に結論を埋めた状態で書き始めても良いのですが、最後にかならず「本当に噛み合っているか」確認してください。
今回については「自分ひとりでなんとかしようとするのではなく、周りに協力をあおいだことで生徒の輪を広げることができた」というお話だったので、「周囲を巻き込む大切さを学んだ」という結論にしました。
<4>完成版
そして完成したのがこちらです。
いかがでしょうか?
最初よりも随分と読みやすくなったのではないでしょうか。
Action 部分がどえらい長くなっていますが、他の部分がちゃんと過不足無く説明できているのであれば、Action は長くていいです。長ければ長いほうがいいくらいです。
最終的に相談者さんから
「こういうことが言いたかったんです!」
という言葉をもらったときは、僕も嬉しかったです!
<5>今回の添削のポイント
それでは最後に、あらためて今回の添削のポイントをまとめます。
1)【原則】1設問=1エピソード+1結論
ひとつのエピソードの中で示す Action もひとつに絞ることが大切です。複数書くよりは、一つをしっかり深堀りし、具体的かつ人間味が現れるように書くほうへ努力しましょう。
2)最初の「結論」部分で、内面的なアピールポイントも書く
「なんのエピソードか」という結論にとどまる方が多いのですが、「このエピソードは私の◯◯◯な一面を表すお話です」という内面的な結論を添えることで、一気に読みやすく伝わりやすくなります。
3)S:Situation は、不要なワードは触れず、必要なワードはしっかり説明
何を説明すべきで何が不要かわからないときは、ひとりで考えずに人に見せましょう!社会人に見せることが一番役にたつと思います。
この note では引き続き ES の添削を募集していきます。
是非、この note のコメントでも、インスタのDMでも構いませんのでご連絡ください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?