体育の授業に人生破壊されなくてよかった話

　大袈裟ではなくて体育に人生破壊されそうになったこと、あったんですよ。遡れば小学校のとき、スポーツ少年団ていうサッカーサークルに入らされて、やりたくもないサッカーさせられて下手くそだって馬鹿にされて、仲の良かった友達には陰口叩かれて。血のおしっこが出たと親に嘘をついて辞めさせてもらったのはいい思い出です。学校に通っている以上、体育って基本的に逃げられないじゃないですか、恐ろしいですよね。体育でヒエラルキー決まっちゃうし。小学校、中学校には運動できて性格悪い奴が山ほどいますからね(偏見)　憂鬱だったな。体育のときだけ、友だちが別人みたいに厳しくなったり、冷たくなったりするの。ひょっとすると友だちじゃなかったのかもしれないですね。中学校になったらそれがもっとひどくなったし。
　楽になったのは高校のときに参加するのをやめたらですね。最初と最後にだけやってきてそれらしいことを言う先生だったので、本を持ち込んで読書してました。運動苦手な子はみんな真似して観戦してました。クラス対抗の長縄も自分が入ると記録が出ないとガチ勢を説得して、観てました。だからって仲間外れになることはなくて、そのときにようやく体育に対する強迫観念みたいなものがだいぶ軽くなりましたね。今もそうですけれど自分は「みんなしてるから自分もこうしなければならない」という考えに囚われやすいんだと思います。そっから抜け出せたのは本当によかったと思っています。あと、人からの評価を絶対として受け取りやすいからチームスポーツ向いてないんすよ。
　あ、ちなみに体育には地獄のような思い出しかないのかといえばそんなことなくて、さっき書いた中学の時の走り方の練習とか、あと高校のときのプール後のフットサルの思い出もいい思い出フォルダに入ってますね。泳ぐの好きだし、チームスポーツじゃないので水泳の授業だけはちゃんと参加してたんですけど、終わったあとに必ずみんなで体育館でフットサルするんですよ。敵味方が試合中に変わったり(裏切り、寝返りあり)キーパーがめちゃくちゃ相手に攻め込んだり、蹴り上げたボールがバスケットゴールの後ろに挟まったりして、すごく楽しかったな。あれは確かに体育の時間でしたけど、私にとっては体育じゃあなかったんでしょうね。たぶんおんなじチームスポーツでも勝ち負けを抜いたから楽しかったんじゃないかなと今では思っています。体育の授業に人生破壊されなくてよかった。マジで。みんなでスポーツすることを心の底から嫌いにならなくてよかった。マジで。
　いや、スポーツしたいなとは思いませんけど。

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のび