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本を探していたらスロウな本屋にたどり着いた。


 安西水丸さんが書いた山の本があるという。
 その名も『てくてく青空登山』
 水丸さんのイラストも好きだけど文章も好きだ。
ツイッタをすぽすぽやってたらその画像が流れてきて、読みたくなった。
最寄りの書店で取り扱いはなくAmazonは空振り。おやまあと思ってインターネットで書名を検索すると、
「スロウな本屋」
 という本屋がいちばん最初に出てきた。
 スロウな本屋……どんな本屋かわからないけれど、いい名前だ。
 クリックしてホームページを見ることにした。

 スロウな本屋は岡山県にある本屋さんだった。
 岡山。日本地図での場所はわかるけれど、東北地方に住んでいる自分にとっては遙か遠くの想像もつかない場所だ。
 見知らぬ土地にあるイカした名前の本屋さん。
か なり興味が湧いてきて『てくてく青空登山』をひとまずカートに入れたまま、じっくりとサイトを見て回った。
移動本屋を営んでいた店主さんがお客さんからの声を受けて本屋を開店したそうだ。スロウな本屋ができるまでの道のりはサイト内の
「スロウな本屋ができるまで」
で、読むことができる。写真付きで読み応えがある。
書かれているのは過去の出来事で、もうスロウな本屋は実在しているのだけど、だんだんと本屋ができていくのはやはり見ていてドキドキした。
 普段あまりネットで本を買うことはしないし、特に理由はないけど躊躇してしまうことが多かったのだが、いい出会いだなあと思ったので買うことにした。欲しかった『てくてく青空登山』と、前に本屋で見かけて気になっていた『月刊 たくさんのふしぎ』の2020年2月号も買った。何ヶ月も太陽が昇らない北極の「極夜」の中を旅した探検家の『極夜の探検』が載っている。一般書だと『極夜行』という本を書いている角幡唯介さんが書いていて、これは小さなお子さんが読んだら泣くのでは?と本屋で思ったものだ。
 注文ボタンを押してからすぐに確認のメールが届いた。
 それを読みながら岡山から本が届くのかと当たり前のことに少し驚いた。いい買い物をしたなと思った。
 世の中はまだまだいろんなことで荒れ模様で、遠くへ旅行へ行くのも少し難しいけれど、いつか岡山にあるイカした名前の本屋さんに行ってみたいと思っている。
 スロウな本屋。いい名前の本屋さんだ。

 なんてことを書いていたら、本が届いた。

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 いい日。

今日はここまで。
読んでくださってありがとうございます。
のび

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