ジョジョ・ラビット観ました!

あらすじ

 第二次世界大戦下、ドイツのどこかで。
 背は低いし足も遅いし力もないけれど、しかし誰よりも忠誠心だけは持ち合わせている少年、ジョジョ。日々、架空の友人「アドルフ」と共に良い兵士となるため努力しようとしているがどこか空回りしている。彼はある時、自分の家に隠れていたユダヤ人の少女、エルサと出会ってしまう。彼女が言うにはなんとジョジョの母親が匿ってくれたらしい。なぜそんなことを? 理由はともかく、誰かにこのことがバレてはならない。ジョジョは彼女のことを匿う代わりに、国のために憎きユダヤ人のことを聞き出そうと企む。しかし、話を聞けば聞くほど、自分がこれまで信じていたものが間違いだったような気がしてしまうのだった。ユダヤ人と僕らではいったい何が違うのだろう? すっかり悩んでしまったジョジョを迫りくる戦争がさらに数奇な運命へと追い込んでいく。

感想
 素晴らしい映画だった……本当に観に行ってよかった。これまで映画を観てきたなかでも、いちばん好きかもしれない最高のラストシーンでした。

 戦争が奪うもの、奪えないものが描かれているのですが、奪い去っていくものがあまりにも多すぎる。だからこそ奪えないものの尊さがより光って見えるのですけれど、胸が痛くなりました。好きだった町、好きだった人、形あるものからどんどん失われていくんですよね。奪えないものは目に見えないから、ギリギリにならないと気付けないし。でも、本当に過酷な物語なのだけれど、笑顔になれるところがたくさんあるし、見終わった後には幸せな気持ちになれるんですよ。そこがこの映画の素敵なところだと思いました。悲しいこと、恐ろしいことをユーモアを用いて語るという手法が私は好きなんだと思います。

 起きてしまった悲劇や過去は、当たり前だけれど覆すことはできない。永遠に。それに対する行き場のない怒りや深い悲しみが作品として昇華されたとき、それは願いになり祈りになる。願いや祈りは作品の中に残り続ける。観た人の心の中に生き続ける。永遠に。覆せない悲劇や過去の傷痕を癒す薬であり、負の感情に対抗する相棒になるんじゃないか。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観にいったときにも感じた創作物の力をこの作品でより強く実感しました。

 私が観に行ったところでも一日一回の上映だったけれど、よかったら観に行ってほしい。私の感想はどうでもいいから、役者さんの演技が本当に素晴らしいから観に行ってほしい。監督が演じた主人公のイマジナリーフレンド「アドルフ」の写真を置いておきます。タイカ・ワイティティ監督、演技上手かったなあー。読んでくだすって、ありがとうございました。

のび

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