2つの母の日。
花屋の前を通り過ぎようとしたとき。
娘「パパ〜、ママに花をかう」
パパ「母の日だもんね。でも、母の日まではもう少し日にちがあるから、買うのはせめて明日にしようね」となだめる。
娘「今日、かうの」と言い張る娘。
花屋のおばさん「母の日は日曜日だからあと3日あるよ」と助言。
娘「今日、かうの」と頑固な娘。
なぜ、その日だったのか。とにかく思いついた事をすぐにやりたいたちなのだろう。自ら臆する事なく花屋さんの中に入り、店員さんと話をする。最近になってお金の感覚もわかるようになった娘、選ぶ花もそこまで高いものでもない。娘は真っ先に目についた、レインボーのカーネーションを選択。なぜこんな色なのかと、パパは店員さんに質問。花に色水をすわせると色が混ざってそうなるみたいだ。ストレチアの葉っぱとかすみ草、そしてレインボーのカーネーションでつくってもらう。合わせて¥1,000。リボンの色はピンクがいいと、娘なりにチョイス。
ママを驚かせるため、花はパパの部屋にかくして待つ。仕事から帰ってくるママをむかえに行くと言い出し、娘は駅まで小走りでかけていく。
娘「今日ね、ママをおどろかせようとおもってる。」
パパ「あれ、言っちゃうの?」
ママ「なにかな〜?」
娘「お花かったの、それから〜、きれいな色してるの、まま好きかな〜」
パパ・ママ「ははは〜(笑い)」
と全てネタバレ状態。思いついた事をすぐにやりたくてい、言いたい事はすぐに伝えたい、そんな母の日、2日前の出来事でした。
☆☆☆☆☆
農家の朝は早い。一仕事終えたという長崎の母から、朝8時くらいに電話がかかってきた。別に仕事を終えた事を伝えたかったわけではないみたいだ。
母「そっちは、コロナは大丈夫か?」いつも母からの電話は心配事ばかりだ。
自分「うん、今のところ大丈夫。ちょっとずつ落ち着いてきよるね。」
母「それならよかった。そういえば、シャンプーのなくなってきたけん、送ってくれん?」
自分「よかよ(いいよ)」
母「お金はどうすればよか?」
自分「いいよ、お金は。買って送るけん」美容師の自分としては簡単な事。
母「もうすぐ母の日やけんね…」と笑いながら。
いつもはお金をきっちり払おうとする母だが、この母の日という大義名分を掲げ、にやりとしている母の顔が脳裏に浮かんだ。実家に帰れないこの状況、なんだかいつもの電話での会話だが気持ち遠く感じる。そして毎年、母の日が過ぎた頃に思い出し電話をしていた。今年はコロナの心配電話のおかげで、母の日を忘れずにすみ、そしてシャンプーを送る事ができた。
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