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色のニュアンスは人の言葉によってつくられている。 Siriに「ヌケ感のある感じにしますね」と言われても、そこに空気が抜ける程の雰囲気を感じられるだろうか。

今日も忙しく、ありがたいです。


本日、美容師のお客様と話しながら考えた事。 


「どうしても無理な時ってありますよね?」

「ダメージ? 似合わせ? 可能なチェンジ? うん、あるある。」

「そんな時どうしますか?」

なんて聞かれるところから、考える事を書き留める。


どうしても寒色系が似合わないタイプの人がいる。
寒色ではなくナチュラル系、ベージュ系とでもいうのか、濃いアッシュみたいに硬すぎないかんじが似合うタイプの人はいる。

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コレは顔立ち、印象、雰囲気によるものだ。だれもが、グレージュやブルージュと言った濁りマックスの寒色系が似合うとは限らない。

それはお客様自信が経験があり,すでに知っているタイプの人もいる。これは簡単に説明すれば納得頂けるのだが,知らないけど、やってみたいというタイプの人がいる。

そんな人にはどうするのか,

自分は、「であれば」という感じで、一度やってもらう。経験してこそわかる事はある。ここで経験しなかったら今後もやってみたいけどな、といった感じで尾を引くかたちになってしまう。先にやって、「うーん。どうだろ?」みたいに感じてもらえればいいし、気に入ってもらえればそれはそれでよしとする。もちろんきちんと説明しますが。


濁りたっぷりな寒色の場合

A8  GRAY6  NAVY3   3:1:10%   


控えめに柔らかいアッシュの場合

A8 : N8 : EG6   1:1:10%


マイルドなアッシュな場合

A8 : N8 : V8   2:1:10%


おなじA8を軸に考えても目的と効果を狙うと混ぜ合わせる色と比率も変わってくる。今回は対象の髪の毛を定めていない例えで紹介したが、色は組み合わせで絶妙なニュアンスを変えていく事ができる。


お客様がやりたい色を勢いでやってみる上で、重要なのはその方がどこまでこちらの説明を理解しているかだと思う。


自分なりにしっかりと説明した、という事実は自分にしか残っていない。ヘアカタでも何でもいいので視覚的に色をお客様と共有しコレだとこうなる、こうするとこうなるという様な選択肢をきちんと渡してあげれば仕上りにも納得頂けると考えます。


カラーリストと言えども、魔法使いではない。

「できない」とは言いたくないし、「いいですよ、やりましょう」といさぎよく言いたい。でも不可能な状況はあるので,コレでもかというくらいに丁寧な説明をする。

日本人に日本語で話しているつもりだけど、たまに「このかたは外人か!?」と言うくらい言葉が通じない方もいる。めげずに何度も説明する。あくまで冷静に、そして冷静に。感情的になるときちんとして説明ができなくなるが,冷静でいられれば、判断をあやまることも少ない。

経験を重ねるうちに、そんな事を身につけてきた様な気もする。

ニュアンスは人にしか作り出せない。その時につけたす言葉で雰囲気すら変えてしまうとも考える。

Siriに「ヌケ感のある感じにしますね」と言われても、そこに空気が抜ける程の雰囲気を感じられるだろうか。



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