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カラーリストの聖地

サロン内には通称 “カラーブース” 呼ばれる、カラーリストの聖地がある。これまで何人のカラーリストがこの場所で、シャカシャカとカラー剤を混ぜていったのだろう。この場所から多くのお客様に支持されるカラーデザインを作り出したといっても過言ではない。

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ここでは、カラー剤を600色以上揃え、お客様の要望、髪質、ダメージに合わせ様々な薬剤をミックスする。

1+1が2にならないのが、カラーの醍醐味。

年月とともに変わるトレンド、髪質はいつも同じを許してはくれない、けっこう繊細な仕事なんだな、カラーリストって。

「この『青』いい色だすよ」

「赤み強い人には、15%くらいがいいのか」

「いや、20%いってもいいんじゃないかな」

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ミックスする量が5%変わるだけでも全然違う表情を作り出してしまう。カラーブースにおけるカラーリストの話は、

6割が色の話。

3割がパーマ液、

あとの1割は「お腹すいたよね」という、

忙しくて何も食べれない時の食の話です。というのは冗談。


そしてカラーブースでは、いろんなドラマが起きる。


カラーの予約数分の準備の必要性、使い終わったカラーカップが山積みになり、これを誰が洗うのか、忙しい時は特にピリついた空気感がカラーブースには起きる。放置時間は何分放置するかの確認、お客様にドリンクを聞いてほしい、雑誌を取り替えて欲しい、次のお客様がお待ちであること、最後の仕上げを待つお客様がいること、など様々な声が飛び交うカラーブースは、スタッフのコミュニケーションの場所でもある。


もちろん、緊張感のあるだけの場所ではない。


時に雑談の場でもあります。あの映画を見た、あれを食べた、飲んだ、夏休みはどこに行きたいなどリモートワークで見逃されがちな雑談タイムもここでは設ける事ができます。


この空間は、カラーリストにはもちろん、アシスタントが育っていく上で、部外者の侵入を許さない、サロンの中では無くてはならない必要不可欠な聖域である。


書くネタに困り,カラーブースについて書く。聖地とはそういう困った時にネタに使うものである、というのは冗談。

もちろん、トップ画像のインドの写真も全く関係ない。


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