ほのぼの怖い『バスザウルス』五十嵐大介(作)
ギッチギッチャガタン、ズルズルガシャリ、ミシリカタリ。手足がはえ、尻尾がはえ、オンボロバスが動き出す。バスザウルスは、まいにちおなじじかんに、バスていでおばあさんをまちました。『海獣の子供』の五十嵐大介が描く、不思議で優しい夜の絵本。
『人魚のうたがきこえる』に続く2冊めの絵本。
五十嵐大介は漫画や画集も全部集めてる大好きな作家だが、今回はタイトルと表紙から幼児向けなのかなと思い、買わずに図書館で借りて読んだ。が、読み終えてすぐポチった。これは手元に置いておかねばならぬ。幼児向け絵本だが心揺さぶられたし、夜が怖くなっちゃったよ。
内容は暖かくほのぼの。しかしいかんせん絵が怖い。個人的に、ホラー8:やさしさ2ぐらいの気分。絵本だと油断してた上に、バスザウルスはゴミの付喪神的存在だし(デカいのも怖い)、舞台は夜だし、何か浮いてるし、動物や虫たちには相容れない恐怖を感じるし。五十嵐大介が書くと夜でも異界になるのかと改めて吃驚。ファン必携。
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