『ミン・スーが犯した幾千もの罪』トム・リン(著)鈴木美朋(訳)
西部劇でファンタジーでロードムービー。意外な組み合わせが不思議な読み心地。苦味と希望の混じったラストも素晴らしい。佳作。
お話はミン・スーが復讐してゆくだけなのだが、その道中、見世物一座の用心棒として一緒に旅する事で一服の癒やしとなっている。
ハードな旅、銃撃戦、一座との邂逅が平行して進み、ミンの出生や復讐の理由が明らかになってゆく。
面白いのが、この一座、手品やフリークスではなく、本当の奇跡を身に宿す者たちであること。観客同様、読んでて「え?」ってなる。普通の小説だと、