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2022年8月の記事一覧

『絶品スフレは眠りの味』チェルシー・フィールド(著)箸本すみれ(訳)

ちょいエロミステリィ。中年向けラノベという感じ。 29歳バツイチ女性が闇金の借金を返すため、危険な毒見役をすることになるのだが、本筋はとくに関係のない同僚を助けるための犯人探し。なのでそもそもあまり感情移入できない上に、全然関係ないルームシェアの話とか、上司の尻の話とかで集中力が削がれる。闇金の取り立ても、いつ本筋に絡むのかと読んでたら、最後まで一切関係なし。すべてが中途半端。 毒見のお話なので、毒見師イレーナみたいなのかと思っていただけに、豪快に肩透かしでこけた。 #

『逃亡テレメトリー』マーサ・ウェルズ(著)中原尚哉(訳)

弊機シリーズ4冊目はミステリィ!(と掌編2つ) ステーション内の業務用通路で他殺体が発見される。元弊社が絡んでいるかもなので、警察機構だけでなく、弊機も捜査に加わることになるが、信用ゼロなのでハッキングは禁止される。アウェイ感の凄まじさが大昔の黒人刑事物を思い出させるレベル。 まぁ普通の人からしたら、ボットは人間の死体を使ったロボット、という認識なんだろう。なので冒涜的嫌悪感を感じてる。読者は弊機の一人称を読んでるので、感情も人格もある普通の人間だと知っている、このギャップ

『白昼夢の森の少女』恒川光太郎(著)

いままでの単行本に入りそこねた短編10編を集めた一冊(文庫は描き下ろしが追加され11編)。珍しく著者後書がついていて嬉しい。なぜ他のにはついてないのだろうか。読者は喜ぶのに。 以下好きなやつをピックアップ。いつも通りハズレ無しで、全体的にホラー寄りなので夏向け。 焼け野原コンティニュー 記憶喪失物。そして周りが廃墟と死体ばかり。そして死んでも蘇るという謎しか無いお話。 不思議はあれど希望のないお話。最後の手紙が虚しい。 銀の船 時空を旅する船のお話。 乗ると不老不死