和歌おきば 2020-09 (降順)

短歌

かりの世になにかつとめむいやひけに暮るるのはやき秋のすき風

連るる友なき浅煎りのカップごし土鳩は秋をのし歩きたり

いねがてに秋の夜ふけてなに思ふおどろの蟲の音こそ高かれ

ひとり寝に秋風のしむ宵の空いまだのぼらぬ月ぞ恋しき

吹く風も虫の遠音も秋さびてひとりおくるるわが身なるかな

いざよひのおなじ雲ゐとみる月よいざ言伝てむけふも生けりと

寝どころの鳥や見るらむあしひきの山ぎはに出づる待宵の月

俳句

虫の音やタイムラインの照らす指

きちきちの眼よみちくさの震源地

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