和歌おきば 2019-12 (降順)

短歌

新春のはがきの給ふ人やあらむゆくりなく読む年こしデリダ

など急きて日を追ひぬらむ二日月くるるもをしき年のすゑかな

福袋さげて未来のドーナッツ二十個ぶんだけ最強のわたし

陰きはめ落ちつくしゆく公孫樹葉のつもれる街は雨にぬれつつ

黄にくくる公孫樹並木の郵便のくるま立ちては舞へ落ち葉たち

風さゆる家路にちがふ幼な子のおういと呼びし月ぞあふげる

物思ふ心の隈も照らまほし雲居に澄める暮の望月

いと高くのぼりたるらむ月かげのけぶる昔のむなでのうさぎ

よにふりてさだめに落つるもみぢ葉のさ波にゆるぐ池の端の月

俳句

窓拭けば鳥の群れなり煤払

皿拭きて二日おくれの柚湯かな

まぜそばは次たのみなむ寒椿

雪吊やさかな干したき空に鳥

着ぶくれてオオサンショウウオのとなり

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