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2023上半期 覚書6

気がついたら年も明け、2024年が始まっている。
情けない事だが、11月後半から年明けまでの記憶が曖昧だ。
独りで何かと戦ううちにどうやらうつになっていたらしい。指定難病というオマケ付きだ。
とりあえず10まで、と思っていたこの覚書も、やっと続編が書けそうになったので筆を進めることにした。 

前回の彼(Aくんと呼ぼうかな)とはじめて企画したのが映画を見る会だった。
私にとってなにか企画するということは生まれて初めてで、これを企画とするのも、あの時はそうとも思っていなかった。けれど、企画メシをやりきった今となっては、小さくとも企画だったんだと言えそうだ。

Aくんは映画が好きな高校生だった。
学校やバイトが終わった後、夕方に来ては好きな映画の話をしてくれた。
話し方も上手で、あらすじだけでなくその俳優がどんな人なのかまで詳しく教えてくれた。
各映画ごとの演じ方の違いはもちろん、
プライベートはこんな車に乗ってる、とか、こんな生活してるなどなど…。
とある日はコレクションのDVDファイルを持ってきてみせてくれて(分厚いファイルだったな)、そのジャケットひとつひとつの思い出を話してくれた。

そんな彼が、「ここで映画を見たい!」と言った。
どうやら以前もやったことがあるらしい。
ここで大画面で映画をみたら、どれだけ楽しかろうと想像した。
さっそくその日ペアだった相談員と3人で何を見るか決めて、宣伝用の写真を撮った。
壁を飾ったフォトスポットの前で、サングラスをかけてギャーギャー言いながら写真を撮った。
それだけでもう私は楽しかったな。

インスタで宣伝して数日後、予定通り「映画を見る会」を開催した。
時々ドヤ顔で楽しそうに解説してくれるAくんに、私まで嬉しくなる。
「ね!凄かったでしょ!!」
と声を大きくするAくんに、
「すごく良かった!ありがとう!」
と私も大声で返した。

企画とはA→B、という。幸せの方向へ向かう意思がある事だと。あの時、小さくとも彼のおかげで企画だった。私は楽しく幸せな方向へ向かうことができた。




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