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薬剤師転職市場の歴史

こんにちは、大前です!

今回は薬剤師の転職市場の歴史をお話ししたいと考えております。

とはいいましても、
私が関わっているのはここ10年ほどですが、
直近5年は社長として、
薬剤師の転職支援会社を運営しておりますので、
なかなか詳しいとおもいます。

よろしくお願いいたします!

6年制移行、圧倒的な薬剤師不足(2010年〜)

薬剤師の圧倒的な不足物語は
薬学部の6年制移行から始まりました。

薬剤師国家試験合格者数
第94回(2009年)  11,300名
第95回(2010年)  3,787名
第96回(2011年)  1,455名
第97回(2012年)  8,641名

毎年約1万人いた合格者が2年間で5000人ほどになってしまいました。
その間も調剤薬局は増加の一途を辿っており、薬剤師不足が発生しました。

この時期には薬剤師は転職"無敵"の状態で、
いつでもどこへでも転職ができるのに加え、
年収も上がるのが当たり前でした。

調剤報酬も今よりも利益が出やすい状態でしたので、
薬剤師の人件費を多く出すことができました。

年収帯も1000万円を出すというところもあり、
住宅付き、引っ越し代負担は当たり前
少しやりすぎな状態でしたが、
各社が出店を加速するために、
囲い込みに必死の状態でした。

派遣薬剤師もこの時期から増え始めており、
時給は5000円を超えている求人もありました。
時給5000円を超える仕事ってなかなかないですよね…

私は薬剤師派遣会社の社長でしたので、
みなさんの給与明細は把握していたのですが、
自分より給料が高い人がいっぱいいるような状況でした。

その時期に派遣勤務していた薬剤師さんは多種多様で、
1年の内、9月間はみっちり働いて、
3ヶ月間は趣味をしながら過ごすような
ライフスタイルの方がいたり、
全国を旅行ついでに転々としながら
働いている方がいたり、正社員で働いてから、
ダブルワークして稼いだりと様々な働き方ができる時代でした。

薬剤師は飽和する(2012年〜)


「薬剤師は飽和する」

このワードは私が勤めだした10年以上前から
ずっと言われ続けてきました。
しかし、慢性的に人手不足は続いていきました。

不足の理由としてはいろいろありますが、
まずは少子高齢化による医療費の増大による
薬局の出店増加に薬剤師の供給が
追いついていないことがあります。

実際に薬剤師の合格者数はずっと横ばいなのに対し、
医療費はどんどん増えていますから追いつきません。

それでは薬剤師の合格者数を増やせばいいということで、
薬学部の新設は
2003年から2020年の間に32校新設
(元々は29校なので、2倍以上!)

となっているのですが、
合格者数はいまだに微増です。

なぜなら、少子高齢化とは高齢者が増えるだけでなく、
子供の数も減っているからです。

薬剤師になるためには
6年制大学卒業+国家試験合格
という2つのハードルがあり、
例えば40歳の方が薬剤師になろうと思った場合に、
6年間大学に通って国家資格に合格するなんて、
ほとんど不可能なのです。

新卒(若者)しか増えないという職種の特性上、
いくら薬科大学が増えようが合格者は
それほど増えないというジレンマがあり、
長く不足が続いていました。

この時期の求人倍率は約10倍。

1人の薬剤師に対して、10人分の求人が発生していました。
(クラスで1番モテる人ぐらいの倍率でしょうか…)

調剤薬局店舗数の頭打ち、調剤報酬改定、コロナ(2019年〜)

薬剤師圧倒的不足の状況はついに終わりを迎えます。

まずは調剤薬局の出店スピードが
ついに鈍化し始めたのです。
現在はコンビニより多い
約6万店舗の薬局が存在しています。

また、薬剤師の合格者数は大幅には増えていませんが、
薬学部設置数が増えたこともあり、
少しずつは増えてきました。

この状況の中で、調剤報酬も徐々に改定されていき、
薬局の利益が出にくくなったことと、
ピッキング業務等の作業領域の緩和、
業務の機械化
などにより、
以前よりも人手がいらなくなってきました。

そんな中でコロナウイルスの影響により、
病院への通院控えが増えたことで、
薬局の売上も落ち込みました。
(ドラッグストアは売上増加しています。)

その影響で、まずは派遣の求人がほとんどなくなってしまったのです。

派遣薬剤師は忙しい場合の補充要員ですので、
忙しくなくなった場合には
初めに削減されてしまいます。
特に薬剤師の派遣は高額な場合が多かったために、
需要は1年間で半分以下に縮小しました。

いまも派遣の求人はたまに見かけますが、
時給はパートとかわらない程度まで落ち込んでいます。
(時給2200円〜3000円程度)

この状況に関しては、
私は逆にもっと下がることも有りえるのではと考えています。
そもそも派遣社員の方が給料や待遇がいい職種は
ほとんどありませんので、薬剤師が特殊だった訳です。
企業としてはまだまだ足りない時に来てほしい
という需要はありますので、
自由に働きたい方は時給を少し下げながら、
派遣で働くような状況になると
企業も採用しやすくなるとおもいます。

正社員の求人については、
派遣がなくなる少し後になりますが、
都内を中心に縮小しました。
私は毎日全国の求人情報が入ってきますが、
今は700万円の求人が最高かなというイメージで、
基本は400万円〜550万円が相場です。

(求人が減ると私たちも厳しいですが…笑)

この2年で様々な要因から一気に状況は変わってしまい、
薬剤師の就職バブルが、コロナ禍で終わってしまいました。

これからの薬剤師の働き方

それではこれからも
薬剤師転職冬の時代が続くのかといえば、
私はそう思っていません。

基本的には少子高齢化は進んで行きますので、
進めば進むほど不足は続きます。

AI化、自動化、調剤報酬の改定などの要因はありますが、
処方箋枚数上限40枚という強い規制もありますので、
すべてが一気に変わるとはおもいません。

また、
「国家資格である薬剤師が仕事がなくなる」
というのは、そもそもおかしいので、
何らかの施策を国が考えてくれる可能性は高いとおもいます。
(いろんな利権もありますしね…)

他の職種では議題にも上がりませんので、
そこは安心していいのではないでしょうか。
例えばYouTuberの仕事を保証する議論よりは、
薬剤師の仕事を守ろうという議論の方が有りえますよね。

海外では薬剤師は憧れの職業です。
(日本でもそうですが!)
日本でも海外のように活躍をできるように
しようという考えも増えるはずです。

また、今現在も毎日、求人は発生しています。
このコロナ禍では、十分な求人数だとおもいます。
条件は悪くなったかもしれませんが、
逆に今までが良すぎたという考えがあっているとおもいます。

あくまで持論ではございますが、
10年以上の転職支援の経験から申しますと、
人生は給料が高いところに転職できたからといって、
幸せにはなりません。
自分の実力が伴って、給料が上がるのであれば良いですが、
たまたま給料が上がっただけでは、
資本主義の厳しい世の中では
働き続けることができないのです。

転職して給料が上がったのに、
辞める人の方は結構な数いらっしゃいますし、
給料が横ばいでも自分にあった転職先を
選べた人は長くキャリアを形成されます。

職場に自分より給料が高いのに、
仕事ができない人がいたら嫌ですよね?
職場に居づらくなるようになっているのです。

私たちは
「薬剤師のパラレルキャリア」
も推進しておりますが、
認定薬剤師をとったり、
採用活動など他の業務にも積極的に参加してみたりと
今の職場でもスキルをあげていくことが、
個人の成長に繋がり、
仕事の安定にもつながるのではないでしょうか。

大変な世の中ではございますが、
希望は必ずあります!
頑張ってまいりましょう!

最後まで見ていただき、感謝申し上げます。
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