無職日記70 解散

ずっと単純な疑問を持ち続けている。

某・解散した国民的アイドルグループのファンの人達って、元メンバーの人達が何かアクションを起こす度に、その国民的アイドルグループにまつわる何かと結びつけては一喜一憂してないか。という疑問。今日もそんな記事を2、3見つけた。とあるフレーズが発せられれば「他のメンバーのコトを暗に言ってる!」「まだグループのコト忘れてないんだ!」だのと、ファンは沸き立つという。少なくともリアルタイム検索などではこの手のコメントを見かけるので嘘ではないんだろう。正直引く。

解散してまだ数年だし忘れるも何もないだろうと。そりゃ覚えてるだろうと。そんであれだけ内紛だの何だのと言われて解散してるのに、メンバーのコトを暗に言ってるって解釈はちょっと考えすぎじゃなかろうか。偶然そうなってしまったコトもあるだろうし、あるいはファンサービスで言っているのかもしれない。ただ、とある数字が出ただけで「この数字はもしや!!あのメンバーのコトを言ってる!!」みたいなファンの無理やりな解釈を見ると、MMRの「何でもかんでも人類滅亡」に持っていくような超展開に通づるものを感じる。なんか引く。

仮にも解散してるんだから、そこにはやんごとなき理由がある。当人達にしかわからない理由。バラバラにならなけれなもう活動ができない、と判断するに足りる理由。解散直前には阻止のための署名活動などもあったようだけど、仮にこれで阻止できたとしても、それはもう前の関係性ではない、グループという体裁を保っているだけの他の何かだ。それをファンが望んだというのなら、大きな間違いだと思う。解散というのはいきなりやるものではなく、裏で少しずつ少しずつ溜まっていった何かの結果だ。解散させたくない気持ちもわかるけど、メンバーの決断を受け入れるのもまたファンとしてあるべき姿ではなかろうか。

再結成を望む声をよく見かけるけど、おいそれと再結成などできるわけもない。よくよく考えてみてほしい。弱肉強食の芸能界、基本的に「我」が強くなければ前に出られないし、芸能人というか表現する人間は多かれ少なかれそういう性質を持っている。そんな「我」に溢れた人達が一つの集団を作るというのは、結構なミラクルの上に成り立っているのではないか。そしてそのミラクルを続けるために、メンバーは自分のポジションを模索して、グループも成長していく。大雑把にまとめると、芸能界のグループってこういうコトだと思う。そんな人達が再び集まるというのは、倍ではなく階乗のミラクルが起きないと無理だと思う。

バンドだってそうじゃない。「メンバー間での音楽性の違い」といいながら、その実メンバーが単に不仲になって解散になるやつ。そんで何かをきっかけに仲直りして再結成するまでに、ざっくり二桁いくくらい年月が経つのが当然じゃない。人間関係の修復っていうのはきっとそれくらいの年月が必要なんですよ。

現時点で再結成を望んでいるファンが多いのもわかるけど、グループの器にとりあえず収まっているだけの、形骸化した某・国民的アイドルグループなんて誰が見たい?そんなのただのゾンビじゃん。禁忌の錬金術で錬成されたホムンクルスじゃん。別にファンじゃないけど、そんな再結成みたらすごく引く。

グループのコトを忘れろとは言わないけど、いちいち元メンバーの発言を拡大解釈して一喜一憂するのも疲れません?って思う。本当に再結成を望むならもうちょっと気長に待ったらいいんじゃないですかね。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」

某・解散した国民的アイドルグループのファンの人達を見る度に、この言葉が浮かぶ。

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