世界標準の経営理論SPCフレームワークの限界
(再掲)読書は決してはやくはなく、じっくり脳に問いかけて読むタイプです。そして好奇心旺盛の為、積読になりがち・・・。なので、一つひとつのパラグラフごとに振り返りを書くことに挑戦します。
この820ページは必ず、積読にせず完読し、自身のモノにするべくレビューを書き続けるチャレンジをすることにしました。いつまで続けることができるか自分との勝負です。(再掲終了)
これまでSPC理論とそれを前提にしているフレームワークを記事にしました。
3つのフレームワークの「これから」を捉える
当著では、フレームワークの生まれた背景や解釈の導きを中心に書かれているが、「本当にそう言えるのか?」を経営学者たちの論文の歴史を踏まえて解説されています。
例えば、ファイブフォースは「企業の収益性は産業構造だけで決まるのか?」に対して、4つの論文から、「産業属性が企業の収益性に影響を及ぼすことは間違いない、しかし過大評価しないこと」とあります。
また、戦略グループにおいても、「どの同業他社をライバルとみなすかは、経営層の心理的な側面に左右される」とある。つまり、客観的な指標のみでの戦略グループ分析が、あまり意味を持たない」とあります。
そして、ジェネリック戦略においては、「一時的な競争優位」と「持続的な競争優位」と行った、時間軸が抜けていることを指摘しています。
SPCフレームワークの限界
当著では、SPC理論の前提を「安定」と「予見性」としつつ、「市場構造を基底とする条件が与えられれば、市場は最終的に均衡状態になる」という説明しています。
ここで、現代では、規制緩和、グローバル化、ITの発展により、競争が激化している「ハイパーコンペティション」が起きていることにより、SPC理論の前提自体が成り立たなくなっていることが言及されています。
フレームワークは奥が深い、背景を知った上で使いこなすこと
フレームワークを使うと、事象の切り口や、判断軸となって、論理的に考えることができるかもしれません。また、関係者との共通言語となって理解が早まるといったこともあるかもしれません。
一方で、そのフレームワークが生まれた背景や、そもそも成り立っている前提を知った上で、使うことで、より、自分にとって、対象事業にとって意味のある「解釈」を創り出せるのだろうと思います。
つづく