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時代の流れ

幼い頃、当時住んでいた所には商店街があった。

広く、真っ直ぐ伸びる道に沿って立つ建物群。

所々にシャッターは垣間見えるものの、活気があった。

祭りの日なんかは特に凄く、建物の合間にある空き地や普段服を売るお店等がこぞって屋台を開くのだ。

客を呼び込む声、それに惹かれる人の姿。

子供に買ってとせがまれる親の姿。

様々な声に活気があり、商店街を彩っている。

楽しげな雰囲気に幼い私はあっという間に呑み込まれ、好奇心の赴くまま親を連れ回して屋台へと突撃した。

そんな懐かしい思い出のあった商店街。

引っ越しをしてからは中々行く事が出来ず、数年越しに行く事が出来た商店街は様変わりしていた。

昔は営業していた筈の店にはシャッターが降り、何処もかしこも営業していない。

見事なシャッター街になんとも言えぬ悲しみが心を覆う。

もはやあの時の光景は記憶と写真でしか知る事が出来事ない。

その事に気づいてしまうと、あの時記憶に、写真に、もっと残しておけば良かったと後悔した。

この出来事は時代の流れを痛感させたと共に何気ない日常の大切さに気づく切っ掛けとなった――

とても貴重で、とても悲しい出来事。




多少の美化や盛った部分もありますが、私の実体験です。
何を想うかは人それぞれですが、少しでも今ある光景を大切に想って頂けると嬉しいです。

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